イナシリ短編集 (ページ11)

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蘭ジャン【ごめん】★ ページ11

霧野視点

「キャラバンの前で、しかも、飴の袋を持って……何しようとしてるの？霧野君。」

俺は今、ジャンヌ救出作戦を実行しようとしていた。

それを止めるかのように、フェイが来た。

「まさかとは思うけど、ジャンヌダルクを助けようとしてるんじゃないよね？」

「まさかって何だよ！助けるのは悪いのかよ！」

「例えば、普通の人をこっちに連れて来るなら、まだ平気だと思う。だけど、彼女みたいな、一国の救世主をこの時代に連れて来たらどうなると思う？」

「だけど……」

「僕だって、助けて代償が何も無いなら助けたい。だけどね、彼女をもしこの時代に連れてきたら、どうなると思う？」

「じゃあ、ジャンヌはどうでもいいのかよ！」

「だから、どうでもいいとは言ってない！君はジャンヌダルクの伝記くらいは読んだよね？まあ、読んでるのを見かけたから言ったんだけど。たくさんの人がジャンヌダルクに助けられた。そして、彼女を助けるということは、その助けられた人の命が無くなっていた。その人の子孫が今も生きているとしたら……これ以上は、言わなくてもわかるよね？」

「フェイの意見はわかった。じゃあ、捕まった後のジャンヌを助ければ……」

「もっと冷静になってよ。助けたいのはわかるよ。さっきから何度も言ってるけど。イングランド軍からしたらさ、捕虜が気付いたら居なくなっていたって事だよ。特に見張りの兵は大変だよ。わかるよね？見張ってた捕虜を逃したんだよ？」

「……」

何だよ…結局、ジャンヌは助けられないのかよ…

「全て……神童君とか、狩屋君とか……全てを失っていいなら、勝手にしなよ。そうしても、僕は恨んだりしない。でも、君とジャンヌダルクだけの世界になる可能性を否定出来ないという事は考えてね。じゃあ、僕は行くよ。」

そう言って、フェイはサッカー棟に戻って行った。

ジャンヌ……俺は、君を助けたいけど、仲間を失うことが怖いって思ってるんだ。

ごめん、ごめん、ジャンヌ。

こんな身勝手で、我が儘な俺を、どうか許して下さい。

「ジャンヌ……ごめん……ごめん」

そう言って泣き続けた。

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どうでしたか？
このネタは、始業式で校長先生が話している時に考えました。←
テンションが下がっている時に考えたので、けっこう暗めでしたね…