58話 ページ10
帰り道、隣を歩く五月七日さんをまともに見れなかった
帰りには気持ちも落ち着いているだろうと勝手に思っていたが、全然そんなことは無かった
なんなら会った時以上にドキドキしてる
しかし、それにもキチンと理由があるのだ
駅前で別れる時に俺は五月七日さんにプレゼントを渡すという使命がある
これもデートの極意とか言うやつで言われたものだ。だが、プレゼントなんていつ買ったの？という話になるだろう
その疑問に答えよう。実を言うと、彼女に渡そうと思っていたプレゼントはだいぶ前に買っていた
たまたま行った雑貨屋で見つけたもの。それを見た時に、脳内に五月七日さんがパッと浮かんだ。きっと似合うと思い、購入したはいいもののずっと渡せずじまいだった
渡せずにカバンの中に封印してあった物
やっと彼女に渡せる日が来たのだ
が、今まで学校で渡せなかったのだから、デート終わりなんて1番緊張する時に渡すのなんて難易度が高すぎる
永遠と心の中で葛藤していると、駅前まで着いていた
A「今日はありがとうございます。クレープ美味しかったです。まだ誘ってください」
彼女の笑顔は行きの時よりも柔らかく見えた。心が解れたのか、警戒が解けたのか、どちらにせよ謙也は嬉しかった
A「じゃあ、また。学校で」
謙也「え？！ちょっと…！」
あまりにも早い別れに思わず引き止めた
自分の行為がグッドなのかバットなのかは分からない
彼女は長い髪を風にのせて振り返った
A「なんですか？」
謙也「あのー、えっとな…これ…」
慌てた末に隠し持っていた紙袋を差し出した
無地の袋であまりに質素な袋。今思えば、もっと気の利いた女性らしい袋に変えておくべきだった
彼女は差し出された紙袋と俺の顔を交互に見た
A「いいんですか？」
謙也「気に入らんかったら捨ててもええから…」
彼女から目を逸らしながらそう言うと、紙袋を受け取った彼女はパーソナルスペースとして確保していた距離を一気に詰めてきた
謙也「ちょ？！」
驚きのあまり、右足を1歩後ろへ下げたが、そんな距離など無意味だった
彼女は俺に抱きついていた
A「ありがとうございます…大切にします」
天使のような微笑みに顔もほころぶが、恥が勝る
いやだって…胸が、当たっとる…
整理しきれない現状に黙り込んだ俺を無視して、彼女は俺から離れた
A「また明日」
よくある挨拶を投げてきた彼女に小さく手を振ることしか出来なかった
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ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 四葉月さん» いつもコメントありがとうございます。とても励みになっています。まだ続きますので応援よろしくお願い致します (2020年4月13日 18時) (
レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
四葉月 - 新作ですね！続編もおめでとうございます！！五月七日でつゆり何ですね、知らなかった(笑)これからも頑張ってください！応援しています！ (2020年4月13日 12時) (レス) id: 3bb8824d05 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - あじさん» コメントありがとうございます。謙也さんとの絡みはこれからどんどん増えていきますので楽しみにしていてください。応援のお言葉とても嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2020年3月23日 11時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
あじ(プロフ) - 続編おめでとうございます！財前との絡み最近いい感じに増えてきて嬉しいです。謙也先輩ともこれから絡むの楽しみにしてます！謙也先輩すきっっ！これからも更新頑張ってください！！ (2020年3月23日 1時) (レス) id: 67552c5473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ToaRin | 作成日時：2020年3月23日 1時
