129話 ページ32
たしぎ「…不死の、薬…?」
嗚呼、そうか
そういう事だったのか
ここ周辺から漂っていたあの香りは
こいつのせいか
シーザー「不死の薬の研究は非常に難しかった…乗り越えなければいけないステップは大きくわけて3つだ
1つ目は外傷を素早く治せるようにすること
2つ目は病原体など、体の内部から害を及ぼすモノを必ず撃退できる強い体をつくること
そして、3つ目が老衰しないことだ
3つ目は本当に難しい課題だったからな…まずは1つ目と2つ目から取り組むことにしたよ
1つ目をクリアするためには体の内部の活動を活発化させて、人が何日もかけて治す傷を何百分の1もの時間にすることが必要だった
しかし、これは案外簡単でな?単純なことだったんのさ…
体内の細胞を活発化させればいいだけだったよ」
シーザークラウンはそこからもペラペラと話し始めた
シーザー「細胞の活性化により傷の治りは早くなる。同時に白血球も強くなり、どんな病原体もすぐ倒すことが出来る。誰よりも何よりも健康な体…を作りたかったが…それはそれで難しい
どんな病気にも負けないからだを作ったはいいが…お前の体は常に抗癌剤物質に似た者を飲んでいる状態になった。悪い物からいいものまで叩きまくるようになってしまった…
老衰をしない体を作るまでに至らなかったよ…そもそも動物が一生のうちにできる拍動数は決まっているからな。基本的に小さいものほど寿命が短く。大きいものほど寿命が長い
それを薬ひとつで覆すのは困難を極めた
諦めた時できたものはどんな病気にも傷にも菌にも負けない屈強な体を作る薬
そうしてできた最後の失敗作の中の成功例の薬を飲んだのがお前だ。リジーボーデン」
指を刺された先にいたのは私だった
私はどうしても現実を受け止めきれなかった
私の恨むべき相手が目の前にいる
私の目の前に…
殺すべき相手の中の1人がわらってる
私に人間をやめさせた男が…
視界が闇に包まれてく。腹の底が冷えて、胃の内容物を全て吐き出してしまいたかった
目の前に事実に思考は暗澹としていくのに、脳は冷静だった
シーザー「しかし、そんな諦めた研究も今成功の時を迎えようとしている!!体を大きくすれば全て解決した問題だったんだよ!!
俺の今の研究が全てを成功へと導いているんだ!!」
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作者名:ToaRin | 作成日時:2019年11月4日 1時