120話 ページ23
落ち着け、落ち着くんだ。とにかく今は全滅してしまう前に答えを導き出せ
空気中の物体を作ることは可能だろうが、それにしてもそれが効くまでに時間はかかるはずだ。それぞれが喉元を抑えて倒れたということは、何かを吸い込んだということ…
睡眠薬などではない…肺や食道を焼き切るものでも無いはずだ…吸い込んでも血が出なかった…
……なら、身体に害はないものを吸い込んだ？
脳が麻痺したような苦しみ方でもない…身体の内部が傷ついたわけでも…
シーザークラウンの能力は物質の分解や合体……もっと詳しく言えば、存在する物質の変化、物質の活発化、濃度調節…
…濃度調節？
体に害がない空気中の物質の濃度調節…
そういう事か…！！
急いで隣を見るが、そこにいたはずのスモーカーの姿はない
慌ててシーザークラウンの方を見れば、スモーカーは十手を手にシーザークラウンに向かっていっていた
A「スモーカー！！！行くな！！！そいつは空気中の酸素の濃度を薄くして酸欠を狙ってる！！！」
ｽﾓｰｶｰ「何？！」
シーザークラウンの近くまで行ってしまっていたスモーカーは私の声に振り返った
ｼｰｻﾞｰ「もう遅い」
A「スモーカーっ！！」
シーザークラウンはたしぎ大佐の細い腕を掴み、そのまま持ち上げた
ｽﾓｰｶｰ「……っ…つ！！」
スモーカーは時期に苦しみだした
迂闊に私も近づけば、この場で奴と同等に戦えるやつはいなくなる…
しかし……
ｽﾓｰｶｰ「……A…に、げ……」
スモーカーは私の名前を呼ぶと、そのまま項垂れてしまった
その光景に私は
腹の底からフツフツと湧き上がる何かを感じていた
指先がピリピリと痺れて、喉が焼けるように痛い痛む
…なんだ、これは
いや、これが何なのかなんてどうでもいい
シーザークラウン、奴を痛めつけてやりたい
ｼｰｻﾞｰ「ほぅ…この俺様の仕組みに気づくやつがいるとはな…面白い」
近づけば、私も酸欠になる。遠くから確実に狙う
腰に着いた銃を取り出す
A「武装硬化」
銃を武装色の覇気で纏い、シーザークラウンに向ける
「ﾊﾞﾝｯ！！」
シーザークラウンに話す隙もあたえず、銃を撃つ
ｼｰｻﾞｰ「なっ…！」
奴はギリギリで銃を避ける。私は奴の逃げる先を予測して間髪入れず撃ち続ける
ｼｰｻﾞｰ「舐めた真似しやがって…！！」
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作者名：ToaRin | 作成日時：2019年11月4日 1時
