81話 ページ34
A「はぁ…はぁ…」
荒い呼吸に上下する肩
途中から来たユグニルはまだ体力が残っているようだったが、私はかなり疲労を感じていた
しかし、目の前に残る敵はただ1人。今は疲労などどうでもよかった
男の頭に銃を向ける
A「残念だったわね」
「ちくしょう…最悪だ…今まで上手くいってたのによぉ…」
目の前で腰を床につけている男は頭を垂れていた
後ろではユグニルが紫煙を吹かしている
「てめぇらは一体なんなんだ?どこのもんだ。雇われのシカリオか?」
A「質問できる立場?」
「……くそ、畜生め…」
男は下から私を睨んだ
私はそのまま男を見下した
スポットライトが嫌に眩しくて、少し顔を背ければ光に反射してチカチカと輝く自分の髪が目に入った
A「…まぁ、仮に私がシカリオだったとしても、こんなやり方するわけないでしょう?貴方の目はガラス玉なのね」
クスクスと笑ってみせると、男は額に皺を寄せた
しかし、数秒後にはその表情は崩れた
「…まて、お前どこかで……」
ポツリと男が呟いた
男のその言葉に私は表情を強ばらせる
横に拡がっていた口角は次第に短くなっていった
表情から感情が抜け落ちた後には口から言葉を零した
A「…みたことあるって?」
「あぁ…」
A「気の所為よ。他人の空似だわ」
「いや、絶対…どこかで……たしかまだ俺が海賊にいた時に…」
…意外に、裏に関わった人間は知っているんだな
何年も前の話なのに
「どこだったかな…思い出せねぇ…」
ぶつぶつという男は命の危機があるにもかかわらず必死になっていた
その光景をユグニルは黙って見つめていた
私は息を短く吸う
A「…映像でんでん虫」
「そうだ!映像でんでん虫だ!何年も前だったが、たしかに間違いは無い!…だが、どんなんだったか…」
A「白いワンピースをきた10ほどの少女だったでしょう?」
「そうだ…そうだった!思い出してきた!」
私は男の疑問に当てつけるように訥々と語る
ユグニル「おい」
A「その少女の名はリジーボーデン」
ユグニルの制止の声も構わず私は言葉を落としていく
そして男は答えにたどり着いた
「そう…そうだ!思い出したぞ!
メトゥスの夜の子供達だ!」
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ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - ベルモットさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。そう言っていただけるととても励みになります!続編のもありますのでそちらもよろしくお願い致します。 (2019年12月25日 22時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - イメ画に惹かれて読み進めているベルモットです。個人的に、好みな夢主でした。 (2019年12月25日 14時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - ぴのさん» コメントでのご指摘ありがとうございます!後で修正しておきます (2019年9月28日 8時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 59話でゾオンがゾーンになってます。 (2019年9月27日 23時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 明煌羅さん» コメントありがとうございます!この絵には結構時間かけたのでそう言って貰えて凄く嬉しいです!Twitterのほうにもう少し画質がいいのを載っけています!そちらもぜひご覧になってください!応援のお言葉凄く嬉しいです!これからも続くのでよろしくお願いします! (2019年9月22日 16時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ToaRin | 作成日時:2019年9月21日 20時