73話 ページ26
しばらく待機していると、廊下は静まり返った
…終わったか、ならあと10分くらいで競売は始まるはずだ
私はそれが分かると、鉄格子を両手で掴み、力を込める
そこら辺にある鉄格子と同じくらいの強度だ
次第に檻は曲がっていき、人ひとりが通れるくらいまで曲った
私は少し痺れた手をブンブンと払い、音を立てないようにその部屋を探り始める
部屋は紙や木箱が積まれていて、とても綺麗と呼べる状況ではない
…適当な物置か？
手を触れないようにみていると、木箱の中はどうやら契約書ようなものだった
…取引の契約書か。こんなところに放置しておくなんておつむが悪いとしか考えられない。ネジの一つや二つ、海に投げてきたんじゃないのか？
私は上から順番に数枚の契約書を出してポケットにしまった
…そうだ、すっかり忘れていたがズボンにナイフを入れていたんだった
縄にでも掛かっていたらそれで切るつもりだったんだが、必要なかったな
子供だからといって油断して手錠もしないなんて馬鹿げている
そこまで来ると、外が何やら騒がしくなっていた
…始まったか
部屋のドアの近くまで行く
すっと目を閉じてから、見聞色の覇気を発動する
近距離から遠距離まで、生命反応を感じる
生命反応の位置からある程度のマップを推測し、これからの行動を頭で考える
…扉の前に1人か、ここを先ず突破しなければいけないな。
扉に鍵はかかってないから後ろから首の骨を折れば…
いや、今は考えている時間が勿体ない。早く動こう
私はそっと扉に手をかける
…小さく息を吐いてから手に力を込めた
「ﾊﾞﾝｯ！」
「なっ！」
男が振り返った刹那、大柄なその男の首に腕をかけて余った腕で肩をおさえつける
男は突然のことに、目を見開いた
私は男の体にしがみつくと、体を勢いよく逸らす
「ちょっ…！」
「ﾎﾞｷｯｯｯ！！！」
男はひとしずくの汗をたらす暇もなく、重力に体を預け、床に転がった
「ﾄﾞｻｯ」
…いい調子だ
廊下には子供たちのおりの列が並べられている
…早くここを立ち去らなければ逃げたことがバレる。早急に移動しなければ
「お姉ちゃん！！」
1歩踏み出したところで聞き覚えのある少年の声に振り返った
私は声のした方へかけよる
あの少年だ
「何やってるの…？」
「…ここから出る準備よ。あともう少しだけ待ってて」
私はそう言って、立ち去ろうとする
「もどってくるよね？」
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ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - ベルモットさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。そう言っていただけるととても励みになります！続編のもありますのでそちらもよろしくお願い致します。 (2019年12月25日 22時) (
レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - イメ画に惹かれて読み進めているベルモットです。個人的に、好みな夢主でした。 (2019年12月25日 14時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - ぴのさん» コメントでのご指摘ありがとうございます！後で修正しておきます (2019年9月28日 8時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 59話でゾオンがゾーンになってます。 (2019年9月27日 23時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 明煌羅さん» コメントありがとうございます！この絵には結構時間かけたのでそう言って貰えて凄く嬉しいです！Twitterのほうにもう少し画質がいいのを載っけています！そちらもぜひご覧になってください！応援のお言葉凄く嬉しいです！これからも続くのでよろしくお願いします！ (2019年9月22日 16時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ToaRin | 作成日時：2019年9月21日 20時
