172話 ページ33
合宿もいよいよ後半戦
夏休みも終盤に近づいているというのに、夏の日差しは強くなる一方
毎日毎日、同じことのサイクルで頭がおかしくなりそうだ
四天宝寺の皆はこんな炎天下なのにギャグやらボケやらを噛ましてて元気そうだった
あの元気が今では羨ましい
A「あつい…」
「そんなに暑いんやったら冷ましたろか？」
A「え？」
聞き覚えのある声、そして何となく感じた嫌な予感
真っ黒に塗りつぶされたその髪が日に照らされているのが目の端から認識されていく
財前光…
「バシャッ」
その音と、頭から伝う涼しさ
水が地面から跳ね返る音を聞いてから私は初めてその状況を認識する
…水をかけれた？
彼の手元を見れば、ペットボトルがあった
A「あ…」
白石「なにしてんねん！財前！！」
白石先輩の声につられ、四天宝寺の皆も駆け寄ってきた
私は未だ理解しきれていない状況に惚けていた
謙也「大丈夫か？四月一日さん」
A「は、はい…大丈夫です」
隣にあったタオルで水を拭う
…あぁ、確かに涼しくなった
心配の眼差しが向けられる中、財前光は白石先輩に怒られながら不機嫌そうにしていた
謙也「どないしたんやろなぁ、財前のやつ…」
財前光を見つめる謙也先輩。私はその視線を確認してから言った
A「どうもこうもないですよ」
あれがあの人の本心なんだ。別に、嫌だと思わない。
これは、「当然だ」と私は思う
私は立ち上がり白石先輩の方に行く
白石「ほんまにすまんな、四月一日さん！こいつにちゃんと謝らせるから…」
A「そんなの入りませ…」
財前「なんでなんですか！！」
唐突に大きな声を出したのは、財前光だった
財前「なんでそいつなんですか？！」
白石「なっ…」
いつもは冷静沈着な財前光の変貌ぶりに一同が動揺した。無理もない
でも、これこそが彼の本心だ
財前「俺の方が先輩らと長くいるのに…なんで新参者のそいつばっかり構うんですか！！」
謙也「お、おちつけや財前！そんなんお前らしくないやん！」
財前「俺らしくない…？どこがです？
俺はずっと、先輩らとテニスしたいですよ！！
そいつに何度も忠告した！！我慢した！！見て流しました！！
これ以上、何に耐えればいいんですか！！」
怒鳴り散らし、今にも泣きだしそうな彼
それが、本当の財前光だった
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ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 牙龍Mueさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しいです！只今新作の方で一気に更新してるので次の更新までもう少しお待ちください！ (2019年8月10日 15時) (
レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
牙龍Mue(プロフ) - 読んでハマって1からここまで読みました！次の更新楽しみにしています！ (2019年8月10日 14時) (レス) id: 805b4b6942 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 四葉月さん» 応援のお言葉、ありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！！こんな長い話を読んでいただけるなんて本当に感激です…まだ続きますのでお付き合い下さい！！ (2019年7月27日 10時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
四葉月 - 更新楽しみにしています！１から読み進めあっという間に今に至ります！頑張ってくださいね！ (2019年7月27日 2時) (レス) id: 3bb8824d05 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - チビなスズさん» ご指摘ありがとうございます！深夜に書いているので誤字が多く申し訳ございません。後で修正しておきます。応援のお言葉、とても嬉しいです！ありがとうございます！！まだ続きますのでお付き合い下さい (2019年7月24日 21時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ToaRin | 作成日時：2019年5月30日 18時
