82話 ページ37
夕食手前、あと数十分もすればご飯の時間がやってくる
今は自由時間とされているが、夕食を待ちきれない部員達がロビーに集まっていた
常に合図を出す跡部もロビーに姿を現していた
隣に樺地くんもいる
私は意を決し、拳を強く握り直して肺の中の空気を全部吐き出した
大丈夫、大丈夫だよ。
胸に手を当てて、目の前に跡部を写し出した
「コツコツコツコツ」
足早に、そして今までの私からは考えられないほど大股で大雑把な歩き方で跡部の前まで行く
A「跡部！！」
跡部「な、なんだよ」
突然目の前に現れた私に驚いている跡部と、大声を出したことにより静まり返るロビー
A「私は悪いと思ってないから、謝らないよ」
跡部「はあ…？」
頭を傾げて内容を全く理解していない跡部は組んでいた腕を崩した
A「…でも、その…あんなキレ方したのは謝る。悪かった、ごめん…
でも、言わなかったことは謝らないから！それは跡部が悪い！！」
跡部「……」
A「…跡部は優しいから、聞いたらきっとあと人に怒るし自分を責める。だから、言いたくない。
でも言う。私今まで嫌なことから沢山逃げてきたから、世間から逃げても、跡部からは逃げちゃいけないと思った。」
歪んだ顔を笑顔に作り替えて、声色を明るくして話し始める
A「この左頬は、お父さんが殴ったの。昨日。
理由は私が跡部に甘えてたから。お父さん怒らせちゃった。
ものすごく痛くて、口の中が切れてたし…女の子の顔殴るなんてありえないとか思った。真っ赤に腫れてる。
こういうの初めてじゃないから…跡部も何回か知ってると思うけど…
お願いだから、お父さんのこと怒らないで
あと人は…ああいう人なの。跡部がお父さんに怒ったところで何も変わらない。
私もあの人も…何も変わらない。」
跡部「……」
跡部は言葉を失っていた
そんな顔みたくなかった
明らかに彼は動揺し、嘆息をついた
家族に関して寡黙な私に跡部は何度も真実を追求してきた
今回も、同じこと
跡部「……すまねぇ、四月一日…俺は」
「ﾊﾟﾝｯｯ!!」
A「はい、この話終わり」
跡部「…は？」
両手を勢いよく合わせ、話に終止符を打った
A「もうご飯の時間だし…跡部の泣き言なんか聞いても何も変わんないしね！気持ち切り替えてこー」
跡部「お、お前なぁ…」
頭に手を当て、大きく息を吐き出した跡部
A「あ、その前に…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「テニスの王子様」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
spark(プロフ) - ToaRin.人形劇の人形師さん» 探しましたがこのアカウントは存在しないと表示されました…。何故でしょう (2019年3月31日 18時) (
レス) id: 394661b33d (このIDを非表示/違反報告)
spark(プロフ) - ToaRin.人形劇の人形師さん» ありがとうございます！探してフォローしますね！ (2019年3月31日 18時) (レス) id: 394661b33d (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - sparkさん» https://mobile.twitter.com/doll1124vtoarin (2019年3月31日 14時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - sparkさん» コメントありがとうございます！読みやすいと言っていただけて本当に嬉しいです！描写は結構頑張っているので、とても励みになります！本当にありがとうございます！Twitterで探したというのは、アカウントのことでしょうか？アカウントでしたらURLを貼っておきます (2019年3月31日 14時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
spark(プロフ) - 初めまして、sparkです。いつも面白く読ませて頂いてます！夢主が父親に叩かれた時は、思わず父親にムカついてしまいました。背景描写も書かれていて、読みやすいです！これからも更新頑張ってください！(追記:Twitterで探したのですが見つかりません…) (2019年3月31日 13時) (レス) id: 394661b33d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ToaRin | 作成日時：2019年3月10日 0時
