【テニプリ】レズで何が悪い！！2【立海】

62話 ページ17

A「はぁ…」



口からこぼれる鉄製の息は、解決策を何も生み出さなかった


日に日に重くなっていく肩


自己嫌悪からくる喪失感


体調はどんどん悪くなっていった



「わーたーぬーきーさんっ！」



昼休みが始まって数分ほど経った頃


聞き覚えのある不快な音から、私は振り向かざるおえなかった


このクラスに四月一日は一人しかいないから



A「何か用ですか？


神崎先輩」


なな「今日のお昼一緒に食べよ！」


A「あー…今日はちょっと予定が…」



もちろん嘘だ、この人とお昼を一緒に食べるなんて冗談にしてもタチが悪い


それにしても、今日テンションが高いこの人。ますます関わりたくない



なな「ほらほら早く行こう！」



彼女の辞書に人の話を聞くという言葉は存在しないようだ


私の手を引き、教室を駆け出す


辛うじて掴んだ弁当箱と嫌いな人間に挟まれ、私は連行されていく



A「私は用があるんです！」


神崎「私に？」


A「違います！」



突然馴れ馴れしくなる神崎なな


前まで敬語だったのに…いきなりなんなんだ？



神崎「ご飯食べるだけだから！マネージャーになってくれて嬉しいよ！」


A「短期間だけですから」



それに、取引内容だってまだ果たしてもらってない



神崎「それでも仲間は仲間だよ！」



「ｶﾞﾁｬｯ」



登った階段


その先は鍵がかかった屋上のはずだった




神崎「テニス部へようこそ！」




一気に風が舞い踊る


私の髪を大きく揺らした


つぶった目をゆっくり開け、現実を瞼に映し出す



嗚呼、これは…



悪夢か




幸村「なな、遅いじゃないか」


丸井「待ちくたびれたよぃ！」


切原「早く一緒に食べましょうよ！」



ここに座っている人達は、私じゃなくて神崎ななを待っている


明らかな場違いだ



神崎「皆！新規マネージャーの四月一日さんを呼んできたよー！」



神崎ななが声高らかにそういうと、場の空気は一気に下がる


…テニス部の人達に言ってなかったようだ。おかげで、とてつもないアウェイ感を生み出してしまった


どうすんだよこれ…

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