【テ二プリ】人気者と嫌われ者【立海】

54話 ページ6

『王女様は急いで、国からつむをすべて処分しました。そして、15年の月日が流れ、姫は美しく育ちました』


舞台袖から、ピンクと白のレースのドレスが見えた


裾を持ち上げ、出てきたのは


幸村「赤也？！」


ｼﾞｬｯｶﾙ「マジかよ…」


仁王「プリッ」


赤也「マァ、コノトウハナンデショウカ」


丸井「カタコト？！」


仁王「恥ずかしさと下手くそさが混ざってるんじゃろ」


赤也「コレはーナニカシィラ？」


丸井「なんで、おぺらちっくなんだよぃ…」


柳生「顔が引きつってますね…」


織語「ヒヒヒ…それはねぇ…つむだよ。綺麗なお嬢さん」


幸村「煠弍ノリノリすぎて怖い」


赤也「あら、ハジメテきいたぁ…でっ！！！」


「がしゃーん！」


真田「む？赤也どうしたのだ？」


柳「滑って転んで、置物のつむを壊しましたね」


織語「赤也、そのまま死んだフリして！」


織語は小さな声で切原に話しかける


赤也「お、おう」


それに対して痛がりながらも、静かに返事をしてうつ伏せになる切原


こっちからみてもばればれ…


『お姫様は、最後の魔女の魔法通りつむに刺されて死ぬのではなく、深い深い眠りについたのです』


―Aside―


私は、ナレーションを終わらすと、スグに放送のスイッチを切る


そして、壇上に向かって、走り出す


体育館の中の放送室といえど、劇の最中に長いラグがあると、不自然だからなるべく早く行く


壇上に降りるための階段を使


わず、最上段から飛び降りる


「「「？！」」」


キャストたちは、上から降ってくるわたしに驚き、その場から離れる


「ダンっつ！！」


少々大きい音はしたが、気にしない


足に異常はない。


落ち着いて、幕の裾から外へと一歩踏み出す


スポットライトが眩しく私を照らす


わたしは息を吸う


九條「ここか、姫が眠ると言われている城は」


私は結んだ、黒い髪を揺らし、足を肩幅より大きく開き、堂々と立つ


「あら、よくここまで来ましたわね」


九條「誰だ！」


織語「あら、私ですわ。」


光に照らされた私たちは睨み合う


こうして、正面から立つのは初めてだ


織語「まぁ、ここで貴方も終わりだけど…


貴方達、やっておしまいなさい！！」


「ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ」


十人ほどの生徒が織語の後ろから出てくる


ここは、見せ場の戦闘シーン


私は紐なしでアクロバットな動きをしなければいけない


張り切ってこうじゃないか

55話→←53話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す