【テ二プリ】人気者と嫌われ者【立海】

91話 ページ44

九条「はぁ…」


やってしまった…


数時間前の出来事も未だに後悔しつつ、腕を動かす


夏の夕方は以外に冷えるから、夜はカレーだ


夕食の準備を私と篠崎さんでやっている


私は、家で家事をやっているから慣れているけど、篠崎はあまり慣れないようだ


包丁を持つ手も危ない


道野さんと織語は、片付けを頼んでいる。織語を呼ばなかったのは、向こうでやってもらうことがあるのと、アイツをキッチンに立たせたらろくなことが無いからだ


九条「篠崎さん」


篠崎「は、はい！」


九条「具材を着るのは私がやるから、食器を出して貰えるかな？」


篠崎「あ、はい…ごめんなさい。私…下手くそで…」


九条「誰にでも上手い下手はある事だよ。今の年で料理出来る子なんて少ないんだし…篠崎さんはマネージャーとして最高なんだから、気にすることないよ。」


まな板に置かれた包丁をもち、手早く材料を切っていく


篠崎「…九条さんは、優しいんですね」


九条「他人を気遣うことは当たり前のことだよ」


私は、篠崎さんが嫌いではない


声も態度も少しばかり小さいが、出際はいいし、それなりの礼儀もある


常識も備わっているから


篠崎「あの…その……相談があるんですけど…良いですか？」


九条「私でよければ」


篠崎さんはそう言って、口篭りながら話し始めた


篠崎「私の……えっと…友達の話なんですけど…


その子はマネージャーをやっていて、それなりに部員からの信頼もあったと思うんですけど…


転入してきた女の子に…ちょっとした……意地悪をされて、部員と仲が悪くなってしまったんです。


その子は何もしてないんですけど、転入してきた子は部員と仲良く成りたかっただけで…出来心でやってしまっただけ……だとおもうんです…


部員の中でも大きくなってしまって…その、イジメ…に発展しちゃって…


どうすれば、いいんですかね…」


九条「………」


随分、優しく言うのね


九条「それは、その子次第じゃないかしら」


篠崎「…？」


九条「その子は、どうしたいの？


いじめをなくしたいの？部員に信じてもらいたいの？仲を取り戻したいの？転入生を懲らしめてやりたいの？悲劇のヒロインを気取っていたいの？それとも、全てに復讐したいの？


どれを選ぶかによって、やることも…その子の気持ちを大幅に変わるし、協力の仕方も変わってくるわ


…どうしたいの？」

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