83話 ページ36
___不二side
九条「菊丸先輩、今のサーブはもう少し強めの方がいいです。」
菊丸「了解にゃー!」
九条「桃城さん、今のスマッシュはもう少しラケットに角度つけた方が勢い増します。」
桃城「おう、分かった!」
九条「越前くん、踏切もっと強くして大丈夫だよ」
越前「…っす」
次々と選手に指示を送る九条さん。その指示は的確で選手の技能は少しずつではあるが、向上していた
選手がいまいちコツを掴めなければ、見本を見せ、直し。時には、軽く相手をして技を磨かせる
コーチとしては、覿面であった
そして、その光景に僕は圧倒されていた
不二「…すごいね、彼女。昔何かやっていたのかな?」
隣でいつものように腕を組み、その光景をじっと見つめている手塚に話しかける
手塚「…立海はこんなに素晴らしいマネージャーを持っていたのか。すこし、羨ましいな」
手塚がそんなことを言うなんて珍しい。
彼のその言葉を聞き、ますます彼女の凄さがヒシヒシと感じられる。そして、僕は手塚の笑いかけ、こう言った
不二「道野さんは?」
手塚「マネージャーとしては素晴らしいが、コーチとしての適任力は欠ける」
彼は、言下に答えた
不二「はっきりいっちゃうんだね…そこらへん、靡いてないのは、やっぱり手塚だけだよね。」
手塚「………」
黙ってしまった手塚に、僕は何も言わなかった。
そして、篠崎さんのことは声に出さず、続きの言葉は飲み込んだ
手塚は、青学の現状をどう思っているのだろうか
「道野さんがどうしたんですか?」
不二「ん?」
背後から話しかけてきたのは、九条さんだった。
彼女は、その能力も素晴らしいが謎が多い。まだ会って1日も経たないが、彼女の自己紹介から感じられるものは「何も無かった」
先程、僕達が励ました時なにか…おかしかった
きっと事情があるのだろう
手塚「…道野がマネージャーとして優秀だという話だ」
目線を外し、九条さんに答えた手塚に対して、九条は
九条「……へぇ、優秀ね」
異様な雰囲気を醸し出していた
不二「…何か気になることでも?」
今の彼女に触れるのは、いけない気がしたが、好奇心には勝てなかった
九条「…いえ、さっきは、慣れていないように見えたので…体調が悪いんですかね」
彼女はそういうと、コートの方へ踵を返した
僕は、彼女の言葉に違和感を覚えた
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灰(プロフ) - 今更なのですが、すごく面白いです😭また機会があれば続き描いていただけるととても嬉しいです😭大好きです (2月1日 22時) (レス) id: 34533725fa (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 面白いです!これからも応援しています! (2019年7月25日 20時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - こっちのお話も凄く面白いです。続きが気になります。ホリック大好きだからイメージしやすくとてもよみやすかったです! (2019年3月10日 21時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 花姫さん» 応援の言葉、ありがとうございます!とても励みになります。一気に全部読んでいただけるなんて思っても見ませんでした!本当にありがとうございます!拙い文章ではありますが、お付き合いいただけたら、幸いに思います。本当にありがとうございます! (2018年12月24日 14時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
花姫(プロフ) - 初めまして。関連作品で出てきて読んでみたらとても引き込まれるお話で一気に全部読み切ってしまいました!続きが楽しみです!! (2018年12月24日 14時) (レス) id: 4f5055b7fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ToaRin | 作成日時:2017年10月20日 18時