81話 ページ34
九条「あの、すみません」
「ん?何か用かい?」
青学のテニス部員がベンチで休んでいるところに、私は言葉を投げかけた。応答してくれたのは、優しそうな表情の…おそらく3年生だろうか。髪の毛は特徴的で前に2本の触覚が出ている人だ。
根っから優しい人なのだろう。初対面の私でもわかるほどだ。
九条「大変失礼なのですが、皆さんのお名前をまだ存じておりません…お手間でなければ、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
無駄に固くなっている口調はいつもの事だ。立海では、長くしなければいけない人はいないから、少し失礼に振舞ってしまっても問題は無い
だが、もし仮にこの中に財閥のお坊ちゃま等がいたら、今のうちに好印象を与えておかなければならない
…そういう、父からの厳しい教育と私の努力の末に身についたもの
今更消えることは無いだろう
「はいはーい!俺はねぇ…菊丸英二って言うんだにゃー!!」
「こら英二、いきなり大きな声を出したら、九条さんがビックリしちゃうだろ?」
菊丸「ごめんなさーい…」
「ごめんね、九条さん。俺は、大石秀一郎。英二とダブルスを組んでいるんだ。3年生で副部長をやってるよ。よろしくね。」
差し出された手を快く握り返す
なるほど、優しそうな触覚さんは大石先輩というのか
「俺は、手塚国光。部長をやっている。宜しく頼む。」
九条「よろしくお願いします。」
そこからは、端から順番に自己紹介が続いて行った
「乾貞治、3年だ。お前のデータを取らせてもらうぞ」
「河村たかしです。これでも一応3年生なんだ。よろしくね。」
「2年、桃城武だ!気軽にももちゃんって呼んでくれよな!」
「2年、海堂薫。」
「越前リョーマ。1年っす。」
一通り終えた自己紹介ののち、私も続く
九条「私は、2年生の九条Aです。よろしくお願いします。」
桃城「えっ?!2年生?!」
私が自己紹介すると、桃城さんが驚きの声を上げた
九条「…1年生だと思いました?」
桃城「えっ?!いや、俺はてっきり…3年生かと…」
菊丸「あー、それは俺も同感だなぁ」
大石「俺も…」
次々に拍子抜けの言葉がポロポロと零れていた
九条「………そんなに老けて見えますかね」
…たしかによく高校生すっ飛ばして大学生だと間違われるけど…まさか、同級生にまで…
大石「ち、ちがうよ!!そうじゃなくて…
言葉使いもと丁寧だし、礼儀もあって、雰囲気も大人びていたから…」
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灰(プロフ) - 今更なのですが、すごく面白いです😭また機会があれば続き描いていただけるととても嬉しいです😭大好きです (2月1日 22時) (レス) id: 34533725fa (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 面白いです!これからも応援しています! (2019年7月25日 20時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - こっちのお話も凄く面白いです。続きが気になります。ホリック大好きだからイメージしやすくとてもよみやすかったです! (2019年3月10日 21時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 花姫さん» 応援の言葉、ありがとうございます!とても励みになります。一気に全部読んでいただけるなんて思っても見ませんでした!本当にありがとうございます!拙い文章ではありますが、お付き合いいただけたら、幸いに思います。本当にありがとうございます! (2018年12月24日 14時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
花姫(プロフ) - 初めまして。関連作品で出てきて読んでみたらとても引き込まれるお話で一気に全部読み切ってしまいました!続きが楽しみです!! (2018年12月24日 14時) (レス) id: 4f5055b7fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ToaRin | 作成日時:2017年10月20日 18時