65話 ページ18
「コツコツコツコツ」
ヒールを履いた母が足早に私のベッドへ向かってくる
髪は乱れ、その顔は怒りに満ち溢れている
迫り来る恐怖に耐えきれない。逃げたい。逃げ出したい。怖い。
高まる緊張と恐怖、私の目はあまりの恐怖に母に釘付けになっていた
太陽の光から逆光になっているその顔は、真っ黒に塗りつぶされ、醸し出される雰囲気をより一層黒くした
周りの人達は、状況が理解できず、固まっていた
織語は、危機を察知し、身の危険を感じてしまったのかその場から動けずにいた
殺される。
本能で、そう悟った
九条「…お、かあさん…ごめ」
「バチンッッ!!」
謝罪の言葉を述べようとしたその時、母が今までにないほどの力で私の頬を叩いた
頬は直ぐに熱を持ち、痛みをジリジリと感じさせた。時期に血も滲んできそう
母は、いままで溜めてきたものを遂に吐き出したようだった
私のこの事がきっかけで
九条「…すみません、皆さんは出ていって頂けますか」
この場全員にに声をかける
切原「え…でも、」
止めようと思ったのか、声を出したのは切原くんであった…が、母の眼力に押され、そのまま出ていってしまった
織語「くじょ…」
九条「ごめん、織語。今は出ていって。」
冷たい返しに織語の口は息を吐くだけで、言葉が空気に触れることは無かった
彼女は苦しそうな顔をしてから、出ていった
…また傷つけて、ごめんね。織語。
「ピシャン」
全員が、外に出ても母はそこに立ちつくしたままだった
しかし、四肢は全く動かなかったが
口だけが動き始めた
「…んたは」
小さい声で囁かれた言葉は
張り詰めた糸をぶった切った
「あんたはねぇ!!!!!あたしがどんだけあんなに苦しい思いをしたと思ってるのよ!!!あんたが事故?!ありえないでしょ?!いくらかかると思ってんのよ!!!手術代も入院費も馬鹿にならないのよ!!世間のせいで私はアンタを殺せなかった!!!なんでなのよ!!!
どうしていつも、私を苦しめるのよ!!!」
80人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
灰(プロフ) - 今更なのですが、すごく面白いです😭また機会があれば続き描いていただけるととても嬉しいです😭大好きです (2月1日 22時) (レス) id: 34533725fa (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 面白いです!これからも応援しています! (2019年7月25日 20時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - こっちのお話も凄く面白いです。続きが気になります。ホリック大好きだからイメージしやすくとてもよみやすかったです! (2019年3月10日 21時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 花姫さん» 応援の言葉、ありがとうございます!とても励みになります。一気に全部読んでいただけるなんて思っても見ませんでした!本当にありがとうございます!拙い文章ではありますが、お付き合いいただけたら、幸いに思います。本当にありがとうございます! (2018年12月24日 14時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
花姫(プロフ) - 初めまして。関連作品で出てきて読んでみたらとても引き込まれるお話で一気に全部読み切ってしまいました!続きが楽しみです!! (2018年12月24日 14時) (レス) id: 4f5055b7fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ToaRin | 作成日時:2017年10月20日 18時