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64話 ページ17

「………」


私たち二人は、多分…もう互いのことを許している


私達が怒りを感じたのは、相手に対してではなく


自身の情けなさや浮薄さ


それを身にしみて感じていた


九条「私の考えの甘さ、軽率な行動と思考


それが、どういった結果を導くか全くわかってなかった


私は今まで、私が傷ついたところで誰も傷つく人なんていないし、誰も私のことに気づかないだろうと思ってた


けど、今回のことでわかった





私が傷付いて…悲しんでくれる人がいるのね。」


強ばっていた表情を緩め、破顔する


織語「あ、…あたり、まえ……じゃん…」


織語は声を震わせ、俯き、服の裾を強く掴んだ


織語「当たり前だよ!」


織語は声を荒らげ、叫ぶと


「キュッ」


私を強く抱き締めた


織語「この世に、死んでいい人なんて一人もいないの!!


誰かが死んじゃったら、その人を愛する人が悲しむの!!


…死んで、誰にも悲しまれないなんて…そんなことないよ


九条が死んだら、私が1番辛いんだよ!!!


私の為とか…そんなこと考えてるんだろうけど…






愛してる人が死んで、私のためになるなんてこと絶対にないよ」


織語の涙が、私の肩を濡らす


私は、織語を抱きしめ返した


こんなに、私の為に苦しんでくれる人がいる


…私は幸せだ


九条「織語…


ありが…」


「ガラガラガラ」


ドアの開く音


その音で全てを悟った


この夢のような光景が一瞬にして崩れ去ってゆく


現実が幻想に変わっていく


力の込められた腕は、震え始め


幸せで塗りつぶされた顔は、恐怖に染まっていく


私は、目の裏に既に焼き付けられた景色を


想像のつく人物と未来が


具現化され、現実になっていく


私は、想像を現実にするべく


ドアの方をむく







嗚呼、


______…最悪だ




九条「……お父さん、お母さん」

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(プロフ) - 今更なのですが、すごく面白いです😭また機会があれば続き描いていただけるととても嬉しいです😭大好きです (2月1日 22時) (レス) id: 34533725fa (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - 面白いです!これからも応援しています! (2019年7月25日 20時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - こっちのお話も凄く面白いです。続きが気になります。ホリック大好きだからイメージしやすくとてもよみやすかったです! (2019年3月10日 21時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
ToaRin.人形劇の人形師(プロフ) - 花姫さん» 応援の言葉、ありがとうございます!とても励みになります。一気に全部読んでいただけるなんて思っても見ませんでした!本当にありがとうございます!拙い文章ではありますが、お付き合いいただけたら、幸いに思います。本当にありがとうございます! (2018年12月24日 14時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
花姫(プロフ) - 初めまして。関連作品で出てきて読んでみたらとても引き込まれるお話で一気に全部読み切ってしまいました!続きが楽しみです!! (2018年12月24日 14時) (レス) id: 4f5055b7fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ToaRin | 作成日時:2017年10月20日 18時

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