39話 ページ41
九條「あれ？」
学校に来てから、気づいた
織語からもらったポーチに付いていたキーホルダーがない…
あれも、織語に貰ったものなんだけど…
私の持ち物のほとんどは、織語がくれたもの……全てと言っていいかもしれない
何から何まで全部
悪いとは思ってるけど、織語は私を織語のもので埋め尽くしたいらしい
それが彼女からの愛情なのだから、私はそれを素直に受け取るしかない
そうは言っても、あれだって大事なものなんだ
織語から貰ったものに、いらないものなんてない
とはいえ、バックの中に入れていたから落とした…ということは無い
バックの中を探してもない
………となると、
誰かが盗ったか
多いんだよね。こういうの
私が織語から貰ったものを、私物にしようとする人
織語に即バレて帰ってくるけど
それは、織語のそばに常にいる人がよくやるから、織語が一緒にいて気づくからであって
今回は、恐らく平民の仕業
織語の目の届く範囲ではない
こういうことになるから、出来るだけ席は外さないようにしてるし、学校に置いていくものも最低限にしてるんだけどなぁ…
とりあえず、あたりを見渡す
信者の数なんて知らないけど、挙動くらいは伺える
父と母の機嫌を常に見てきた
出来るだけ、被害が大きくならないように、最小限にするため
細かい表情には敏感になっている
だから、�爐修ΔいΥ蕎隲瓩鮓�つけるのは得意
あー、ほら見つけた
葉泉翼……か
予測通り、平民
ポケットに、ずっと手を入れたままそわそわしている
私に気づかれていないか不安になっているせいだろう
気弱なタイプで目立ちにくい。頭も決して良くはないが悪くもない。クラスカーストはプレップスと言ったところだろう
私はあれを落とした記憶なんてないけど
でも、危ないことには手を出さないタイプ
……命令されたのか？
確かにいじめに合う傾向はある
プリーザーにでも言われたのか
じゃあ、プレップじゃなくてメッセンジャーに昇格だ
でも、ここだと人が多すぎる
織語の件であまり被害を出すと織語に迷惑がかかる
人がいないところに行ったところを見計らうか
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作者名：ToaRin | 作成日時：2017年9月10日 23時
