【テ二プリ】人気者と嫌われ者【立海】 (ページ27)

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25話ページ27

母「来なさい」

「ガシッ」

九條「いっ…」

怒鳴り散らした母は

私の髪を掴んだ

引っ張り、あの部屋へと連れ込む

九條「ひっ」

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

あの部屋に入りたくない

嫌だ

こわい

コワイ

「ガシャンッ！！」

あの檻

私の身長の半分くらいのサイズ

絶対に母と同じく目線ではいられない場所

私はそこに身を投げられ

暫し、蹲る

これが折檻

九條「ごめんなさいお母さんごめんなさいお母さんごめんなさいお母さんごめんなさいお母さんごめんなさいお母さんごめんなさいお母さんごめんなさいお母さん」

許して

恐怖で支配される

檻の柵を掴み、母に乞う

母「ごめんなさい？あんたは謝っても謝りきれないでしょ？ねぇ！！」

「ガシャン」

母が檻を蹴る

振動が響き、私は更に縮こまる

九條「ごめんなさい…ごめんなさい…」

母「私の事、馬鹿にしてるの？苦しめて、そんな楽しい？」

私は謝ることしか出来ない

目尻が暑くなってくる

でも、涙は出ない

泣いちゃダメだ

きっとお母さんの方が辛いんだから、

苦しい涙なんてのみ込め

殺せ

お母さんは愛し方を知らないんだから

でも、いつかきっと分かってくれるから

幸せな家族が待ってるから

だから、耐えなきゃ

今は…

「だから？」

目の前が真っ暗になる

掴んだ柵の先には

真っ黒な私がいた

「耐えたから何なの？」

九條「………耐えた分、後で幸せが…」

「ホントにそう思ってるの？」

九條「…………」

何も

何も言い返せない

耐えた分、帰ってくるよ

そう言いたいのに

声が出せない

言えない

「貴女の未来、当ててあげましょうか？」

九條「………え？」

「これから、お母さんのこの行為はもっと酷くなる。貴女は死にかける日々が続く。

お父さんは他所でまた愛人を作る。今度はお父さんがお母さんへの苛立ちを貴女にぶつけるの。愛人と2人がかりで」

九條「嘘」

呟く

否定の言葉

「嘘じゃないわ」

九條「嘘よ！！！」

怒鳴りつける

口角を上げる私に

「本当に？」

九條「……っお母さんもいつか愛してくれる」

「本当に？」

九條「…お父さんだってきっと分かってくれるわ……」

「本当に？」

九條「もう少し耐えれば、私の辛さをわかってくれる…！」

「本当に？」

九條「さっきから何なのよ！！！私は…

本当に…私の望む未来が！！！」

「本当に？」