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「あっ…あの…」
校舎裏
木々が静かに囁く
風が心地よい昼
「ずっと前から気になってて……」
微かに花の香りが鼻につく
柔らかな日
「俺と付き合ってください!!!」
織語「むり」
でも、恋は実らない
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銉葉「あーあ、またやってるよ…」
A「どーして、織語がいいのかねー」
その告白が良く見える教室から様子を眺めていた私達
定番のごとく告白され、速攻で断る織語
そして、風のごとく去っていく
銉葉「絶対織語と付き合ったら苦労するよー」
A「絶対1週間も持たないね」
銉葉「みんな夢見すぎー」
織語「ほんとにね」
いつの間にやら帰ってきた織語
本当に風のような出来事であった
銉葉「今年で何回目ー?」
織語「さぁ?でも、何回も聞いてる告白を何回も最後まで聞いてあげる私は優しいと思う」
銉葉「面倒なら、レズ宣言でもしたら?」
織語「私の立場より先に、女子から告白される回数が圧倒的に増えるだろ」
銉葉「何やっても無駄だな」
変わらない日常にため息が出そうになる
あの男子は、これから女子に冷たい目で見られるんだろうな
信者を無視して、告白したから
A「あっ、そうだ!!」
銉葉「ん?」
A「丁度1週間後くらいにさ、まりねぇちゃんにお弁当作るから二人の分もつくるね」
織語「え?マジ?」
銉葉「めっちゃ大盛りにして」
A「おっけおっけ、美味しいの沢山作るね」
喜ぶ2人を幸せそうに眺める私と
憎たらしそうに見る人が1人
晴天の青空を映し出す窓ガラスに映り込む
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朝、学校に来て下駄箱に着いた
A「ねむ」
ポツリと呟いて、上履きを取り出した
が
「ぐちょ」
上履きの踵を掴んで取り出すと
耳障りな音と冷やかな感触が伝わってきた
あからさまに顔を歪める
顔を歪める理由は、汚いから
一応、飲食店でもある家にいる身としては、汚いものは極端にきらいなのだ
はぁ、とため息がこぼれる
みたくない…
その言葉が頭の中を巡るが、行動はひとつしかない
意を決して、上履きの中を除きこむ
中身は予想通りの泥であった
しかも、ご丁寧に水を含んであるベチャベチャなもの
一目見て、一瞬吐きそうになる
泥は本当に嫌いなんだ
とにかく汚い
見た目も匂いも感触も
全てが無理だ
最悪な出来事から始まる1週間だった
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てく - 違反になりますので、オリジナルフラグを外していただけませんか? 作品作成のルール・注意点・ガイドラインにも載っていますのでおめ通しください (2017年6月30日 0時) (レス) id: 42191458d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ToaRin | 作成日時:2017年6月29日 23時