【ユーリonICE】I look, and do you not understand it?【勇利成り代わり】 (ページ33)

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愛についてagape

曲がかかる

優子はこちらをじっと見ていて、ベルは楽しそうにこちらを見てる

観客がいるのは久々だが、だからと言って緊張する訳では無い

周りなんて放り出せ

私だけの世界に浸ろう

振りが始まり、シルクの服を揺らしながら回る

真っ白な世界に、真っ白な私

そこにあるのは同化しきって消えた私

埋もれてしまった私

誰かが私の手をつかむ

温かい

『信ぜむ、給はむ、希望せむ、敬はむ、働かむ、感謝せむ！』

あの4人が手を差し伸べた

あの日

世界に色がついた

「カシャン」

息をするように、三回転フリップを決める

自分の体は勇利に比べて驚くほど軽く、いつもの勇利よりも高いジャンプだった

『そして漸く秘密の扉が開きつつ、優れて光たる[愛] 、我らの世話をすべし、優れて光たる [愛] 、我らの世話をすべし』

素晴らしいほどに、

美しい世界

私の隣にいる

皆の微笑み

全ての罪の重さから海に沈んでいた私を引っ張りあげた

罪など捨てて

「カシャン…カシャン」

四回転トゥループ、四回転フリップが決まる

体力なんて有り余っている

ジャンプも演技も、何回だってできる

『大い、大いなる愛よ！ああ！君の声が聞える！我が自由が在る！』

誰かを愛する自由

確かにあった

私の思い

そう、聞こえた。二人声が

だから、あの時、二人の存在に気づけた

この世界に来て、初めて出会った時

だから、もう絶対に

絶対に

壊させたりなどしない

私たちのセカイを

手出しはさせない

誰にも

羽が生えたように跳ぶ

「カシャン、カシャン」

トリプルアクセル、４回転サルコー

綺麗に決まった

ステップを自己流にアレンジする

手を差し伸べるように広げる

私の全てを全身で表すように

胸の鼓動が聞こえた

息をする呼吸の音が聞こえる

『我が命が好きなる、愛の平和を。この幸福が永遠なると祈る。』

両手を天へと捧げた

静かなリンクで

冷たい氷上で

小さく揺れた

シルクのワンピース

「パチパチパチパチ…」

一人の拍手の音が聞こえた

優子が口を半開きにしたまま、拍手をしていた

優子「……すごい」

A「あっ…ありがとう」

優子「すごい！！ほんとに凄い！！貴女みたいな人始めてみたわ！！」

絶賛する優子は私を置き去りにして、ひどく喜んでいた

(愛についてagapeはサイトより歌詞の和訳を引用させていただきました)