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―___ side―
「アソコの娘。案外チョロかったな」
茶髪のオトコが佇む路地裏。
大きな黒いカバンには金目のものが大量に入っていた
金のためなら犠牲を惜しまない
世にいう最低な男だった
世の中にこの男のような人間は万といるけど、目的は多種多様だよね
…おっと、話がずれた
「あの隠れ場所も、案外築かれねーな…あの娘が、追ってきた女を連れてきた時に娘が『人がいた気がした』とか言って笑ってたけど。あん時はバレるかと思ったな…」
「タッタッタッ…」
ケラケラと嘲笑うその男の後ろで走る音が微かに聞こえた
その音に、男はいち早く気づく
はずだった
音は聞こえていなかった。でも、それ以前に
気配に気づいていなかった
「チッ」
距離が近づいた時点で、音に気が付き
舌打ちをし、路地裏を抜けた
九條「…どこだ」
駆けつけたのは察しの通り、九條A
足の速さは尋常ではない
それ以外も含めて
前に銉葉が言っていた、
『気配に気づかない』
というのは、彼女は常に無意識だったり、気配を消すということを覚えているからだ
気配を消す…どういうことかと言うと、相手に気づかれないのは勿論。
堕天使とであってから、気配には気づくのに何故消せないのかと問いた時があった
消せない理由は、何か考えているから、強い思いがあるからか
結局、魂同士ということがあり、気づいていまうから
…おっと、これはまた今度
そこにただ、立ち止まる九條A
静まり返える住宅街で
女は全く動かなかった
静寂が目立つそこで、それを際立たせたのは虫の音だった
数秒の沈黙は一層長く感じることだろう
女は目をゆっくりとゆっくりと開けた
そして
A「…………_________」
今まで見たことのないような顔で
路地裏を見つめた
何も映さない瞳で何を映しているのか
何かを憎むような、恨むような視線
逃げた男は、人の心も弄び、女が付いてくることを予測していた
しかし
心理戦というものは実に簡単なゲームだった
どうすれば相手に勝てるか考えるのは勿論難しい
でも、相手に勝つ方法は一つ
相手の想像を超えること
それは、頭脳であっても、行動であっても、思考であっても、利用であっても
または、そのすべてでも
超えれば勝ち。
相手の想像を越える
ということは、相手が考えもしないことをやってのける程の超分析力が必要
それを持ってすれば
簡単なゲームだった
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ToaRin.774の人形(プロフ) - 華飛さん» ありがとうございます!!本当ですね。前作でも同じことをしてしまっていました…気をつけます。教えて下さりありがとうございました (2017年5月14日 0時) (レス) id: ae3734b391 (このIDを非表示/違反報告)
華飛(プロフ) - とても面白いです、それ故にもったいない…!オリジナルフラグが…!消されちゃうので外してくださいねー! (2017年5月13日 15時) (レス) id: 9e2f5dbb6a (このIDを非表示/違反報告)
坂本ムサシ(プロフ) - オリジナルフラグ外れてないので、外して下さいね。 (2017年5月1日 23時) (携帯から) (レス) id: 098600d6aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ToaRin | 作成日時:2017年5月1日 22時