【ユーリonICE】I look, and do you not understand it?【勇利成り代わり】

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リンクの上を滑ると頭の中がクリアになる


無駄なことを考えずにただ、滑るだけ


イメージのままに演じる


地上と氷上はあまり変わらなかったけど、それでも、リンクのほうがずっと楽だった


二人と過ごして早２週間


幸せな時間だった


今回の大会で使う曲のイメージは


『化け狐』


だった


初めてにしてはハードルは高いが、その位がいいと先生は僕に言った


それは正に妖艶


「カシャン」


完璧にジャンプが決まる


トリプルアクセル


ヴィクトルのコピーだ


その怪しさに人々を魅了する


化け狐


絵を描いてイメージを固めると、ピンクよりの紫色のドレスと耳をもつ、美しい９尾がスケッチブックへと描かれた


ここで大切なのは目線


見ている銉葉を流し目で見て怪しく口角をあげる


それを見ても銉葉は動じなかった


…？ちょっとくらいは赤面するとも思ったのに…


残念。



「カシャン」


三回転フリップが決まる


これもコピーだ。


曲のクライマックスには視線誘導で目線を引き付けて決める


大きなリンクに円を描く


乞うように空へと手を伸ばし


曲を終える


「わぁああ！！」


盛大な拍手に満足感を得る


あぁ、これだ。


ヴィクトルと一緒だ


その満足な思いを顔に出しながらリンクを出ると


銉葉「ふーん…」


不機嫌に頬を膨らます銉葉がたっていた


A「え…」


え、なんで起こってるの？


銉葉「九條」


A「はい？」


銉葉「オリジナルが足りなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああぁあぁあぁあぁあああああああああああい！！！！」


A「えええええええ？！」


突然？！


銉葉「九條らしさが全くない！！ヴィクトルのパクリだよ！丸パクだよ！！！天才だってことはよく分かったよ！！でも！！！九條が消えて灰になって存在が抹消されてるよおおおおお！！！」



ええええ…そこまで？！


銉葉「いい？！また、大会前日に見に来るからそれまでに出来てなかったら承知しないからね！！！ほら！帰るよ！！」


A「強引じゃ…」


銉葉「は？」


A「ごめんなさい…」


キレた銉葉に対応できるはずもなく、その日は帰ることにした…


--------------- ｷﾘﾄﾘ ---------------


修学旅行行ってきます！！

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