鬼が出るか蛇が出るか ページ12
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煽られた不安の中で、あいつらの関係、行動、その全てを羅列させて考える。
...国広が話さないなら、考えるしかないからな。
「...」
求めている答えはきっと案外簡単なものなはずだ。
...オレは、何を見落としてる？
一体何を...
「＿津くん、...会津くん」
「！」
ぷつんと切られた思考に顔を上げた。じとりとした目でこちらを見る碧眼の人物と目が合う。
「...長義」
「君も皆も、色々考えてるみたいだね」
「知りたいことが多過ぎるからな」
お前もそうだろと思いながらそう答えたオレに、そいつは僅かに顔を顰めると呟くように言葉を続けた。
「まあね。...でも、」
「？」
「考えた先にある未来が、必ずしも俺達が望んだものとは限らないだろう」
長義のその言葉に、食堂が再び沈黙に包まれる。
それを破ったのは、訝しげに顔を歪めた薬研だった。
「...どういうことだ？」
「...」
ちらと薬研を一瞥した長義は、それから周りを見渡す。自分に注がれる全ての視線を弾くように頭を軽く横に振ると、ぽつりと話し始めた。
「...俺が、監査官だった時の話だ」
「「!!」」
「俺はこの本丸に派遣される時、ここについての資料を渡された。主のことやその他諸々が記載されていて、そこには...Aのことも書いてあった」
「...どんなことが書かれていた？」
「..."要観察対象"」
「なんだそりゃ...」
長義の口から出た不穏な言葉に場がざわつく。長義は続けた。
「俺も気になったからここの担当である木蓮に聞いた。...でも、」
「でも、なんだ？」
「..."紫空切氷雪は愛されている刀。それ故に未来が分からない刀"。...それしか教えられなかった。当然俺も当時理解出来なくて...でも今、ようやく分かったよ」
「何だ？」
蒼の瞳がオレ達を捉え、山姥切とは対称的な自信に満ち溢れたそれが鈍く揺れた。
「"愛"とは"信頼"。...主やAが隠しているものは、その"信頼"を打ち砕くもの」
「...それは、」
「"未来が分からない"というのは、俺達が真実を知った時、今までと同じような日々を送れるとは限らないってこと。
...俺だって真相を知りたい。でも、知ったその先の未来は、俺達を幸せにするとは限らないんじゃないか」
長義の言葉が、真相を知りたいと願う俺達の心を大きく揺する。
その時。
「その通り。...さすが元監査官」
動揺を孕んだ沈黙を破る声が一つ。
食堂の入口に立った主の灰の瞳が、鈍く光った。
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不透明どろっぷ。(プロフ) - 前回のやつと今回で涙腺が緩んで戻らなくなってしまいました(号泣) とても凝った話ですね！ (2021年3月1日 22時) (
レス) id: a7e7752e52 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ２(プロフ) - 狩歌さん» やったぁぁ!!楽しみにしてますねっっ!! (2019年4月21日 20時) (レス) id: 5238a033a3 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - ニャンコソバ２さん» ニャンコソバさんこんにちは！ありがとうございます〜！楽しんでいただけたなら幸いです(*´∀｀*)リクエスト了解しました！リア充させますよ〜！ (2019年4月21日 9時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - しおねーさん» ありがとうございます！もうしばしお待ちください〜 (2019年4月21日 9時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ２(プロフ) - お、お疲れさまでした…(?)貯めに貯めて、一気に読みましたところ、涙腺が見事に崩壊しました。笑堀川くんとリア充するやつ見てみたいです( (2019年4月21日 8時) (レス) id: 5238a033a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2019年2月18日 19時
