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枷と鎖 ページ6

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『千歳、ひとつ聞いていい?』

『あ?』

『今回の出陣先で私が"彼ら"に会う可能性は?』

『残念ながらゼロ。歴史上じゃあいつらは丁度違う町に行ってるからな』

『...その言い方だと会わせたかったみたいだね』

『俺はそれでもいいと思ってるけどな』

『おい審神者』

『...お前は?口振りからして会いたくないみてえだけど』

『うん、会いたくないね』

『...!』

『だって会っちゃったら__』













...なんて、言ったんだっけ。

あの続き、私は千歳になんて言ったんだっけ。


ついさっきの会話のはずなのに思い出せない。



思考が、感情が、ごちゃごちゃ綯い交ぜになって自分が何を考えているのか分からなくなる。

そのくせ、自分が混乱して困惑してるんだということだけは冷静に分かった。


「Aさん!」


屋根の上からこんのすけが私の名前を呼ぶ声が聞こえる。...そんな大声で呼んだらバレちゃうよ。


「...は、」




ああ、なんで、


どうしてここにいるの?
なんでここにいるの?
ここにはいないはずじゃ
歴史が変わってる?
どうすればいい?
逃げる?
でもそんなことしたら怪しまれる
千歳に迷惑かけちゃダメだ
平常にいつも通りにするんだ
怪しまれるようなことするな
落ち着け
落ち着け
落ち着け


落ち着け




「...っ、」




全身が震える。

噛み合わない奥歯ががちがちと鳴る。

心臓の音が耳元で聞こえる。

息をするのが苦しい。

視界が歪んで見える。




炎が、



声が、









.









.









『どうか、どうか___』









思考と感情がぐちゃぐちゃ混ぜ合わさって作られた、重くて太い鈍色の鎖が体に巻き付くような感覚がする。


身動きが取れず呼吸も上手くできない中で、ただその言葉だけが、無意識のうちに零れ落ちた。









「......真白、冬夜...?」









.









.









これが夢なら良かったのに。


これが現実だったら良かったのに。


会えてよかった。


会いたくなかった。


もっと近くに行きたい。


早く何処かに行かないと。


こっちに来て。


何処かに行って。


助けて。


気づかないで。




...ごめんね。

ごめん。

ごめん。



ごめんなさい。

ごめんなさい。




ごめんなさい。




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狩歌(プロフ) - 作者さん» 私も作者さんのコメントで大泣きしました。ありがとうございます...!! (2020年2月14日 8時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 大泣きした…もうやばい…語彙力低下した… (2020年2月14日 1時) (レス) id: 514b4bbba8 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - かふぇいんさん» 告白されちった(違う)。そんなこと言っていただけて感無量です。ありがとうございます!リクエスト了解しました!もうしばしお待ちください! (2019年2月10日 22時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 連続でコメントすみません…!夢主ちゃんの質問コーナーみたいな茶番が見たいです。ぜひお願いします! (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - すき。すきです。すきしかでてこないです。これからも心から応援してますッ…! (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狩歌 | 作成日時:2018年12月28日 13時

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