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流転の戦況 ページ28

【千歳side】


「ブラック本丸」というものがある。

本来神として敬意を払い、主従として、仲間として、家族として信頼を築き上げるべき刀剣男士達に対して、暴力や過重労働、夜伽を強いたり、果ては自ら手を下す。それらが蔓延している本丸のことだ。


本丸が増えるに従って比例するように現れたそれらを野放しにしておくことは当然出来ない。

政府はそれを防止するために各本丸に担当を付け、定期的に様子を見に来るのだ。



...んで、俺の本丸の担当。

前回の定例会議で司会をしていたあの木蓮(もくれん)という名の女性だ。

絹糸のような黒髪に夜空色の瞳が美しい彼女がうちの担当なのは嬉しい。

美人が担当で嬉しくねえ男はいねえだろ!?(キレ)


だが、問題が一つ。


「...」

「...」


本丸の点検やら刀剣達の様子を見て回ったあと、俺達は執務室で顔を付き合わせていた。

かれこれこの状況になり十分が経つ。


「...」

「...」



"問題"、それは。

この木蓮という女がものすっごい鉄仮面ということだ。


本丸を案内している時に新参者の刀剣達に「きゃー彼女?」と茶化しを受けても、「私は蜻蛉切さんや日本号さんのような偉丈夫が好きです。こんな青臭いガキは好みじゃありません」と真顔で答えやがった。


「青臭くて悪かったな...!」

「気にしてたんですか?」


悪く言えば鉄仮面、よく言えばクールビューティ。愛嬌を振りまく気などさらさらないような彼女は、紅茶を口に運びながらそう言った。


「千歳様が随分と刀剣達に弄られていたので。私が十九の時はもう少し落ち着いていたなと」

「...あんた何歳?」

「二十歳です」

「一つしか変わんねえじゃねえか!!!」


ダァンッと机を拳で叩き項垂れる俺を木蓮が一瞥する。氷点下のその冷ややかな瞳はソッチの趣味持った人に需要ありそうだ。

俺は断じてない。


そんなことを思った、その時だった。




「...!」

「...どうかしました?」


項垂れてた俺が突然顔を上げたことに怪訝そうにそう問うた木蓮をそのままに、俺は執務机に駆け寄る。

ヴンと音を立てて、机上にホログラムの日本地図を浮かび上がらせた。




先程感じ取ったのは、微かな霊力の震え...すなわち、

時空の乱れ。


地図上に広がる円形の波紋の中心、そこは和泉守達の出陣先だ。


「木蓮サン、遡行軍がボロ出したぜ」

「!」


少し見開かれた藍の瞳に、驚いた顔は割と幼いんだな、なんて。



その顔が少し、Aに似ていた。

.

天才→←その刀、



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狩歌(プロフ) - 作者さん» 私も作者さんのコメントで大泣きしました。ありがとうございます...!! (2020年2月14日 8時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 大泣きした…もうやばい…語彙力低下した… (2020年2月14日 1時) (レス) id: 514b4bbba8 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - かふぇいんさん» 告白されちった(違う)。そんなこと言っていただけて感無量です。ありがとうございます!リクエスト了解しました!もうしばしお待ちください! (2019年2月10日 22時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 連続でコメントすみません…!夢主ちゃんの質問コーナーみたいな茶番が見たいです。ぜひお願いします! (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - すき。すきです。すきしかでてこないです。これからも心から応援してますッ…! (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狩歌 | 作成日時:2018年12月28日 13時

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