ex.5-1 ページ33
前にテレビか何かで聞いた
彼女の誕生日を2日忘れていたことがあるんですよ
聞いたときはなんとも思わなかったけど今日も
仕事が入っている伊沢さん。
私も以前の彼女さんみたいに忘れられているのかな
こんな嫌な考えを拭う方法を私は仕事しか知らないから
今日は一日中パソコンに向き合った。
仕事に区切りをつけるため福良さんに
編集した記事や動画を送る
もう時計は左側を指していたから自分を祝うためにコンビニへ
今日くらいは少し高いスイーツを買おうかな
去年と変わらない方法が胸に風を吹かせた。
メッセージを送る暇もなかったんだろうな
人気者で毎日忙しい姿を見ているから
邪魔はしたくない
けどやっぱり本音は出てきてしまうもので
コンビニからの帰り道で指を動かした
次のお休みいつですか?
緑の吹き出しに変える勇気は持っていなかった。
重い彼女とは思われたくないけど
今日くらいは許して欲しい
少し夜更かしをして待った8文字
高校、大学、なかには中学のときの先輩や後輩、同級生までが
時計の針が跨いだ瞬間に溢れかえった
丸みを帯びた白色の長方形
部屋で期待をしながら開いたアプリ
欲しい言葉は沢山あっても欲しい人がいなかった
なんかどうしようもなく寂しくなってしまって
スマホを抱いたままソファで横になった。
1人で食べるスイーツ
去年まで食べていたものは無くなっていて
今年は違うもの
普段は無難なものばかり選ぶけど
特別な日だから冒険をした
やっぱり美味しいけれど少し苦い。
まだオトナになれない私の揺れる視界と濡れた袋
もう今日は早く寝てしまおう
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作者名:ゆら | 作成日時:2020年9月1日 22時