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ex.1 ページ24

「Aちゃん、文学系得意でしょ?」

そういう系選んで読むから頑張って!そう言われ早押しボタンを手にした私。

初めて触る


「問題よむねー」

問読みはこうちゃんがやってくださることに。

山本さんと乾さんと一緒にクイズ。

......緊張する




「問題 『こんな夢を見た。』という/」

分かったけど、ランプの光は山本さんへ。

「夢十夜!」
私も大好きな夏目漱石の小説。

「正解!」
こうちゃんの声と同時に音が鳴る。
「こんな感じで集めてみるから頑張って!」

このくらいなら早く押しても答えられるかも。

「問題 八代集最後の和歌集で/」

光ったのは私のランプ。
「......新古今和歌集」

「正解!」
固まった体が解されていくよう。

「凄いね〜!押せてる!!」
山本さんは褒めて乾さんは笑顔で頷く

それだけで嬉しくて自然と頬があがった。

「じゃあ、読みまーす」

「問題 白樺派の代表的な作家で『カインの末裔』『生まれ/」

「有島武郎!」
乾さんの声が響く。

読んだことの無い作品だった。読んでみたいな。

「やっぱ文系強い??」
山本さんが視線をこちらへ。
「まあ、多少は?」
頬を緩ませた乾さんが答える。

「行きますよー」

「問題 『小説の主脳は/」
「小説神髄!」
早押しクイズらしくボタンを押せた気がする。

あまり物事に"ハマる"ことがなかったけれどこれはとても楽しい。

ここに来てから初めてが沢山。

「Aちゃん、よくわかったね!」
「これは、前に授業で」
サムズアップ見せる。


こうちゃんが文系ばかりを読んでくださったからだいぶ押せた。

「どう?Aちゃん、楽しい?」

「はい、とても!」

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作者名:ゆら | 作成日時:2020年9月1日 22時

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