苦さ、7割【Q.K】 (ページ12)

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｢今年もプールに行くんだ｣

車の中で教えてくれたのは伊沢さん。
｢貸切企画ですか？｣
｢そうそう｣

｢でも今回は1問だけじゃないから人が足りないんだ｣
そんなことまで教えてくれた。

幸いにも私は元々泳げるけれど万が一に備えパーカーの下に
水着を着ることに。

カメラなどの機材も集まってきていよいよ撮影が始まった。

私は最終問題のヒントを持っている。
だから顔以下が映ることになる。

あまり体型に自信がある訳では無いから少し心配。

｢え、Aちゃん泳げるの？｣
目を大きく開いて私に問いかけるこうちゃん。
｢そうなの？知らなかった｣
その声を聞いて驚く山本さん。

｢言う必要ありました......？｣

｢ほら〜Aちゃんは俺らに何も教えなさすぎ！
もっと自分のこと話していいんだよ｣

その場では2人と笑っていたけれど、元々自分のことを話すのは苦手で。自己紹介もなんなら苦手。
友人がしてくれた他己紹介を自己紹介に使ってる。

まだ入って半年満たない私にこんなにも優しく接してくれるのが嬉しくて少しは楽に笑えた気がするな。

人と話すって楽しいかも。

そう考えられるようになったのもこのあたりかな。

　