1話 「世界」 ページ1
さて、まずこの世界の
お話をしようか。
この世界は
『雇う』か『雇われる』かの、
どちらかしかない。
そして、このことを
『雇家定』と書いて『ごかじょう』
という。
小さい家庭は
『雇われる』側。
大きい家庭は
『雇う』側。
要するに、
『雇う』は、当主。
『雇われる』は執事やメイド、
そんな感じだ。
小さい頃から、この世界での
学校へ行き、言葉や計算などを
勉強する。
それと同時に、『雇家定』の勉強もする。
そして15歳からはもう、
『雇家定』の仕事を
しなければならない。
『雇われる』側は、
自分を雇ってくれる家を探し、
見つからなければ
雇教場(こきょうじょう)という
施設へ行き、『雇われる』ための
訓練をする。(約1年)
そこを卒業できたら、
また自分を雇ってくれる家を
探し、それでも見つからなければ
「お前はいらない存在」
と判断され、処刑される。
『雇う』側は、
元は小さい家庭、
『雇われる』側から
地道に大きくし、
『雇う』側に行く家庭もある。
だが、そう簡単にはいかない。
元から大きい家庭の
『雇う』側は、
もっと大きくすればいい話。
ただそれだけ。
家庭を大きくする方法は
いたって簡単。
自分の家に金を振り込む。
そして、振り込んだだけ
その金が倍で帰ってくる。
それを繰り返せば繰り返すほど
家が大きくなる。
そう、全ては金なのだ。
こんな城壁で囲まれた地区が
隣同士で繋がりあった世界が
この世界。
そして、そのそれぞれの
城壁の中で最も大きい家が
その地区の帝王。
こんな感じの世界。
こんな地獄のような世界、
他にあるだろうか?
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作者名:柊 梓 | 作成日時:2016年11月14日 12時