超光速のプリンセスに溺れる【ウマ娘】 (ページ4)

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「…アグネスタキオン。きみの名前は？」
『あっ、Aっていいます。ごめんなさい、急に変なこと言っちゃって』
「大丈夫だよ。またこうして話すことがあれば、よろしくね。Aくん」
『はい、ぜひ…！』

あっさりと名前を教えてもらえた。アグネスタキオン。この人によく似合う、かっこいい名前。

『あの、タキオン先輩って呼んでもいいですか？』
「きみの好きなように呼んでくれて構わないよ」
『ありがとうございます…！』

若干低く落ち着いた声が私の心を揺らす。トレセン学園で生活していれば美人なんていくらでもお目にかかれる筈なのに、タキオン先輩の微笑みにはどうしてもどぎまぎしてしまう。一目惚れってこんな感じなのかな。

そろそろ行きますね、と言って会釈をすれば、ひらひらと手を振ってくれる。

また会いたい、欲を言えば話したい、いや、一緒に走ってみたい。そんなことを考えだしたら午後の授業にはあんまり集中できなくて、私はずっと、あの人に思いを馳せていた。