何事も最初が肝心 ページ1
現在、2005年4月7日の午前10:00
強面教師、夜蛾正道はその額に青筋を立て、内心、静かに怒りを溜めていた。
「おっせぇなぁ、まだ来ねぇの?」
五条悟、五条家次期当主。その容姿、能力共にまさしく“最強”の名に相応しい男。
ふてぶてしい態度で机に足を上げている姿を見るに、性格に多少、難あり。
「入学初日だし、寝坊したのかもね」
夏油傑、一般の出だが非常に珍しい術式を持つ。腹の底がしれない、胡散臭い男。
今も顔は笑っているが、机の下に隠された足先は忙しなく上下に動き、止まる様子はない。
まさしく、怒り心頭である。恐らくこの中で一番。
「まぁサボれるし良いんじゃない?」
家入硝子、反転術式を使いこなす少女。手に握られた携帯をいじり、時間を潰している。
そして口には咥えタバコ。教師の前で未成年がそれはどうなんだ、と注意しても聞かないのは既に分かっている。
夜蛾がキレているのは、何もコイツらの舐め腐った態度のせいではない。
いや、それも多少はあるが。
3人の顔を一瞥し、窓側のぽっかり空いたスペースを見る。
キレイな真新しい机が一台。お気付きだろうが、今年の新入生は4人である。
再度、確認しよう。現在時刻午前10時5分。登校、始業時刻は午前9時。
既に一時間弱、オーバーしている。
同じく9時30分に遅刻登校してきた五条がまだ可愛いと思える。そのレベルで遅い、遅すぎる
もしや欠席か。
確認のため職員室に向かおうとした、その瞬間――
ひとりでに、扉が開いた
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作者名:慎 | 作成日時:2023年1月9日 20時