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11話 ページ13

探偵社の階段を速く、しかし静かに駆け上がる。




扉の前で一度しゃがみこんだ。




太宰「A、動きが慣れてるね。」




『知りません!ほんとに、中にいるんですね。』




太宰「……そうだね。どうする心算?」





ここで一つ深呼吸をした。




『浅はかな考えですけど…先ず私が中に入って囮になります。』




太宰「駄目だ、それは危険すぎる。」




『いいんです。で、そのあと太宰さんが入ってきます。その間の僅かな隙に私が異能を使います。』




太宰「君の異能?」



『はい。今まで黙っていたけど"不協和音"と云う異能です。…音を、操作することが出来ます。』




太宰「へぇ…変わっているね。」




『成功したら、きっと本物の探偵社員になれるから…』




太宰「分かった。君のその作戦でいこう。すぐに助けるからね。」





『わかりました。行ってきます。』






少し微笑んで、ドアノブに手を掛けた。

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作者名:ぐらっせ | 作成日時:2018年3月16日 22時

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