【刀剣乱舞】新選組二番組組長の愛刀

じゅうろく ページ17

『箸難しいね...』


「最初はみんなそうだよ。」


燭台切さんが運んでくれたご飯を食べようとするものの、上手く箸が使えない。


「最初は簡単なのを掴んだら？」


安定はそう言ってきゅうりの漬物を指さした。


『...よいしょ』


「...おっさん」


『誰がおっさんだもう1回言ってみろ』


「完璧におっさんじゃんそのがんの飛ばし方とかさ」


『安定！！箸って人の目を刺すためにあるんだっけ！だから丁度２本あるんだよね！』



「A落ち着いて！清光も挑発しない！」


べーっと思い切り清光に向けて変顔をしてから私はまたきゅうりの漬物に挑戦した。



『...お！掴めた！掴めたよ安定！』


「はいはい。すごいね」


ぱくっと口に入れてみると少ししょっぱいけど美味しい。


白米も頑張って掴んで口に運べば漬物の塩分と白米の甘みが混ざってなんとも言えない幸せな気持ちになった。


「漬物と白米だけでそんなに美味しそうにしてくれるなんて嬉しいなぁ」


燭台切さんはそう言うと照れたように笑った。


あ、この人ママンだ。(直感)


その後無事箸の使い方を習得して初めてのご飯を食べることが出来た。


『ご飯ってこんなに美味しいんだね。ずっと食事していたい』



「太るよ」



「豚になるよ」



『ねえそこの沖田組私に対して冷たくない？』


うわーんと泣くふりをして兼さんの方へ逃げれば頭をポンポンと撫でられた。


『ほら見ろこの対応の差を！！流石かっこ良くて強い最近流行りの刀だわ！』


「だろ？俺はそこら辺の刀とは一味違うからな！」


「地獄の鬼副長の刀だもんね」


「Aに至っては三馬鹿のうちの1人の刀だもんね。だからAも馬鹿なんだよ」


その言葉を聞いた途端私は清光と安定の背後に回って思い切りゲンコツをした。


「いった！」

「うわっ！」


『確かに新八くんは馬鹿だったけど私は馬鹿じゃない！！一緒にしないで！』



「...お前それでいいのか...」


兼さんが呆れたようにそう呟いていたけど、いいんです。新八くんは本当に馬鹿だったから。



そしてその後鶴丸さんを見かけて昨日の落とし穴の恨みとしてくしゃみを思い切りかけて歌仙さんに「雅じゃない！」と怒られたのは別の話。

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