【沖田総悟】まってる。

じゅう。 ページ10

『………あ、そろそろ行かないと』




「どこに行くんだ？」




『…大切な人のところに？』




「なんだその疑問系」



いつの間にか沖田のこと、大切だと思っていた。


一緒にいて心地がよくて、ずっと隣にいたい。そんな感じがした。




『じゃあ！』



そう言って部屋を出ようとしたとき



『…っ！げほげほげほっ！！！げほっ！がはっ！』



「っ！おい！！」



ぐ、となにかがせりあげる感覚がして血を吐いた。


いつもならそれで終わるのに今回はいつもとは違った。




『げほ、げほげほげほげほっ！！！』





「！！！Aちゃん！！！！」



銀さんが呼んでくれたのか看護師さんが来て、私をベッドの上に運んだ。




『い、かな、きゃ…』




「……っ！」



するとお医者さんが来て私のことを診てくれているけど、発作は収まらなかった。




……あぁ、そういうことね。



体の調子がよかったのは、今日死ぬからなのね。




『う"、げほっ！！！』



大量の血を吐いた後、私の意識はどんどんと遠くなっていった。









いやだ、死にたくない。









生きたい。









ねぇ、神様。ひどいよ。









最期に沖田に会いたかった。









まってるって、言ったのに。
約束、守れなかった、









『……お、きた…ごめ、ん……』







「沖田……？」



銀さんの驚いた顔が見えたような気がした。





目を閉じると、すぅ、と涙が流れたのがわかった。







意識が暗闇に沈んでいった中、





「ご臨終です」





という声が聞こえた。







桜がそれは綺麗に散っていた。

あとがき【追記！】→←きゅう。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す