41. 躊躇い ページ42
｢お2人とも頑張ってくださーい！！｣
｢1年の成長魅せてもらうぜーA｣
昼間の校庭で繰り広げられた、特級同士の体力勝負。
制限時間は3分。重傷が見込まれない限り、呪力及び術式は使用禁止。
校舎に損傷を与えた者は負け。審判は家入硝子が務める。
後輩の2年生・
｢七海はどっちが勝つと思う？僕はやっぱり夏油さんかな！｣
｢被害を与えない方｣
｢Aは体術の応用が鬼強だから、枝1本持つだけでも基本は敵なしだぜ｣
｢それって五条さんも？｣
｢呪力抜きならな。｣
｢…始め！｣
ドッ！！！
｢｢！？｣｣
合図とともに、左右から中心に向けて砂嵐が発生した。
50m先の自分らにも砂が飛び散るほどの威力にあんぐりした後輩たちは、その光景に目を見張る。
パシ！シュッ！
｢劣ってないみたいだな｣
｢舐めんな｣
グン！
_____さっきから浅い攻撃だけ。持久を兼ねてるのか？
八重の拳が夏油の腰を中心に狙う。しかし、その手が急所を刺す気配はない。
夏油の考えは当たっている。
八重がこの1年で会得した、極限まで空間を削った動き。
呼吸は深く、体の力を抜くという至ってシンプルなもの。
威力が落ちる分持久力は上がり、頭で考える余裕も生まれる。
八重は修行を積んで理解した。
戦闘に必要なのは、怒りでもなければ恐怖でもない。
自身を凌駕した潜在意識を、体外に曝け出すことである。
ゴンッ！！！
｢ん"！｣
八重の蹴りが夏油の腿に入った。突然の重い攻撃に判断が追いつかず、痺れが走る。
筋肉の弛緩が滑らかなせいで攻撃が読みづらいのだ。
バシッ！！！
｢ッく！｣
｢あと10秒｣
夏油が形勢を変えた。床に張り付くように動き足を狙うことで、相手を完全に受け身にさせたのだ。
柔軟性なら八重も劣らないが、武器を使用できない今は不利だ。距離をとられる前に決着を_____
｢そこまで！｣
ホイッスルの音が鳴った。結果は同点。
｢最後躊躇ったよね。何で？｣
八重が夏油に問いかけた。
1発とはいえかなり重い打撃を受けた2人は、一切呼吸を乱していない。呪力抜きにしてこの精神力と体力は、術師の中でも貴重である。
｢…試合中は危ないよ、ソレ｣
夏油がトン、と首元を指した。それは、いつしか自分があげたネックレスだ。
｢…｣
他に何か言う気にもなれなくて、夏油はその場を後にした。
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tomishiro(プロフ) - 佝僂さん» はわー！？とっても嬉しいです！おかげで頑張れそうです！ありがとうございます！ (2022年7月13日 11時) (
レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
佝僂(プロフ) - めっちゃ面白いです！！！更新頑張ってください！！ (2022年7月13日 10時) (レス) @page12 id: 1c770a8388 (このIDを非表示/違反報告)
tomishiro(プロフ) - ぜひ評価の方もよろしくお願い致します！ (2022年7月13日 9時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とみしろ | 作成日時：2022年7月7日 20時
