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36. Who are you?? ページ37

「私はね、呪いの生まれない世界を作りたかった。
でもその過程で1人の同僚と食い違い、今じゃ犬猿の仲さ。」
「もしかして、九十九由基ですか?」
「よく分かったね。そう。彼女はエリートだった。」
「…どう行き違ったんですか?」


⬛︎⬛︎さんは私の眼差しをちらりと見て、1泊の間を置いた後こう告げた。


「昔の私は酷く追いやられていて、呪力からの脱却を困難だと悟った。だから、人間から負の感情そのものを無くす実験を裏で計画していたのさ。」
「!!」
「しかしその情報が漏れて九十九に阻止され、計画は失敗に終わった。本来なら私は死刑か無期懲役になるはずだったが、犯行自体何も進んでいなかった上に特級は重宝されたため、懲役10年で済んだんだ。もちろん今も私を狙う術師は絶えない。」


まさに、言語道断。私の背筋に冷や汗が伝う。
呪詛師のレベルではない。この人は人間の本質を覆そうと目論見みていたのだ。


「この計画は彼女と馬が合うと思ったんだけどね。彼女の理想と私の理想は合致しなかったみたいだ。」
「当たり前でしょ!あまりに非人道的です!今はもう改心しましたよね!?」
「ああ。寧ろ、呪力からの脱却を可能だと思い始めているよ。

_____()が生まれたからね。」


……………。…は?


突然、私の名が挙がったことに放心する。
呪力からの脱却?それを可能にするのが、私?


「は…?」
「さっき私は"呪いの生まれない世界を作りたい"と言ったが、真の目的は違う。
"この世界の真実を知りたい"んだ。」


声色が変わった⬛︎⬛︎さんに、私は何も言えなくなった。
さっきの無気力さや残酷さはどこへやら。彼女の内側で何かが燃え盛っているのが見え隠れしている。

そして、次に彼女が発した言葉も衝撃だった。


「実は私は、
自分と世界は誰かに操られているんじゃないか(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)と思っているんだ。
君も心当たりがあるんじゃないか?」
「わ、私は」
「Aじゃないよ。Aの奥にいる、()に言っているんだ。」


鋭い眼差しが私の心臓を刺す。
ドクンドクンと鼓動が鳴り、頭だけが放心している。






自分と世界が誰かに操られている



その心当たりがあるかって?



しかも私じゃなく、()に言ってる?



君は誰?



「呪いの胎児」じゃないの?



この人はさっきから何を言ってるの?





分からない



分からない



分からない







…よね?





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設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑 , SF   
作品ジャンル:恋愛
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tomishiro(プロフ) - 佝僂さん» はわー!?とっても嬉しいです!おかげで頑張れそうです!ありがとうございます! (2022年7月13日 11時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
佝僂(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新頑張ってください!! (2022年7月13日 10時) (レス) @page12 id: 1c770a8388 (このIDを非表示/違反報告)
tomishiro(プロフ) - ぜひ評価の方もよろしくお願い致します! (2022年7月13日 9時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とみしろ | 作成日時:2022年7月7日 20時

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