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32.呪詛師 ページ33

ノース・ブラザー島。かつて感染病者の隔離と治療に建てられた病院が今も尚残る廃墟の島。
こんな禁ぜられた場所を隠れ蓑に出来るということは、当事者が舐めた不良か極悪人のどちらかだろう。

私がヘリから降り立った、その瞬間。


パァン!!

「ッ!?」


狙撃!奇跡的に指に微かな火傷と痺れだけで済んだ。恐らく5人は隠れている。


パァン!!


2発目、弾丸が私の心臓を貫いた。吐血してその場で倒れ込む。それを見て、一瞬スコープの反射をした1人のスナイパー。


「残念。そっちはfake!」
「ッが!」


ソイツの無線機を奪い、周囲のスナイパー達に呼びかけた。


「聞け。お前たち諸共火炙りにされたくなければ、武器を置いてその身を西の陽に当てろ。両手を肩から上に挙げて一列に並び、膝をつき降伏せよ」







廃墟の病院に身を隠した団体____通称「G」は、海外との人身売買を図っていた。
その長の前に、黒電話を抱えた部下が訪れる。


「師匠!狙撃手の無線機が乗っ取られました。相手は1人、自分を術師だと名乗っています!」


「G」は、見えるだけの者、呪術を少し齧った者が集う。呪いという未知な存在を確かめるべく集団ができるのは至極当然。そんな無知な彼らを統べるのは、必ずと言っていいほど呪詛師である。


「会話を続けて時間を稼げ。逆探知して身柄を拘束、爆薬を飲ませて海に捨てろ。術師とて不死身ではない。」
「御意」


人を誑かし、弱みに漬け込み、力をつけた後で虐殺する。
その目的は1つ。街の経済を握り、国家の転覆を可能にしてしまうほどの呪術最大の組合へ生まれ変わること。


「お前たちの目的はなんだ」
《俺らは国のために、この呪胎九相図っつー化け物を外に捨てるんだよ!》
《あ!辞めて!》
《おぎゃああああ》


向こうから女性と、赤子の声がした。呪胎九相図などではない、列記とした人間の声。


《…まさか、赤ちゃんを人質に取ったのか?》
「だからこのガキは呪霊だって師匠がッ、あ!?」


八重と話す男が突然受話器を手放した。驚くことに、その穴から火花が吹き出している。


《おい当事者。師匠だか何だか知らないが、すぐそっちに行くからな。》


ブツ。電波が途切れた。


「構うな。ここに訪れるには無数の罠を突破しなければいけない。50以上放たれた呪霊を前にすれば、最低30分か…」

ゴシャアアン!!!

「な!?」


衛星が屋根に突き落とされたような衝撃。そこには、1人の少女が立っていた。


「下衆が…」

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設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑 , SF   
作品ジャンル:恋愛
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tomishiro(プロフ) - 佝僂さん» はわー!?とっても嬉しいです!おかげで頑張れそうです!ありがとうございます! (2022年7月13日 11時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
佝僂(プロフ) - めっちゃ面白いです!!!更新頑張ってください!! (2022年7月13日 10時) (レス) @page12 id: 1c770a8388 (このIDを非表示/違反報告)
tomishiro(プロフ) - ぜひ評価の方もよろしくお願い致します! (2022年7月13日 9時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とみしろ | 作成日時:2022年7月7日 20時

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