11.思い出したよ ページ12
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「…え」
陽の光が差し込み私を照らすその瞬間、遠い昔の記憶がフラッシュバックした。
…なぜだろう。
この美しい空を、あの背中を、差し伸べられた手を、私は知っている。
『きみ、誰？』
『君はまだ自分を諦めていない。だから私に着いてきてくれたんだろ？』
『私は夏油傑。傑で構わないよ。』
『おっと。A、大丈夫？』
『おはよう、体調は治った？』
『Aって彼氏いる？』
『A！！しっかりしろ！！』
『朝方の思い出はあるか？』
『A、来ちゃダメだよ。頼むから。』
『つまらなすぎて、寒くて』
『綺麗だよ』
『そんな顔をしないで。悲しくはないんだ。』
ああ、
そうか。
あなたはずっと、私を覚えてくれていたんだね。
傑。
ドサッ
｢ちょ、A！？｣
私はせっかく買ったお弁当を投げ捨てて、硝子を置いて寮へと走った。もう2人は帰ってきているはず。
早く、早く会いたい。あなたに。
傑に会いたい。
ひたすらに走っていると、任務から帰って疲れ果てた2人の姿があった。
あなたが私に気づいて、手を振る。
｢A、ただい……おわ！？｣
｢すぐるううううぅ、おお、おがえ"りいいいい｣
私は迷わずその胸に抱きついた。
堪えた涙が吹っ切れて、馬鹿みたいに泣く。
｢え！？な、A！？｣
｢お前らいつの間にそんなバカップルに？！｣
｢違う！！！｣
｢思い出したあああああああ｣
そう言うと、ぼやける視界の中で確かに傑が驚いた顔を見せた。
嘘じゃないよ。私、全部思い出したよ。
私は声を振り絞って言った。
｢すぐるぅうああぁ、あの時ッ！私のこと、助けてぐれでありがとおお！！｣
｢わ"たしまだッ、じぶんのこと許せないけどぉ！それでもッ皆と生きてぐって、決めたからああぁ！！」
うわあああああん！！！
そう大声で泣く私を見て、確信したのだろう。
止まらない涙を拭って、傑が強く抱きしめ返した。
あたたかい温もりが私を包む。
｢…馬鹿だね、A。たった一日の思い出なのに｣
その声は、心做しか震えていた。
遅れて家入がやってくる。
激しく息切れする彼女の目前には、泣いて抱きしめ合う2人。
全く意味がわからない状態に、思わず五条と笑った。
｢おいおい…俺たちを置いてくなよ…｣
「うわああああああん」
日は、登り続ける。
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tomishiro(プロフ) - 佝僂さん» はわー！？とっても嬉しいです！おかげで頑張れそうです！ありがとうございます！ (2022年7月13日 11時) (
レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
佝僂(プロフ) - めっちゃ面白いです！！！更新頑張ってください！！ (2022年7月13日 10時) (レス) @page12 id: 1c770a8388 (このIDを非表示/違反報告)
tomishiro(プロフ) - ぜひ評価の方もよろしくお願い致します！ (2022年7月13日 9時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とみしろ | 作成日時：2022年7月7日 20時
