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32.暴れまくれ ページ33

「…?」


私は気がかりに思った。帳が下りていないからだ。
場所を変えたのか?いや違う。領域だ。
2人が領域に閉じ込められたから帳を下ろせないんだ。

だが、生得領域なら2人は簡単に出られる。
それでも傑くんが連絡を寄越さないのは、今その場で呪霊を祓おうとしているからだろう。

ただ、もしこれが「生得領域」ではなく、「領域展開」だったら…。


「帳を下ろしますか?」
「いえ、2人はすぐ出てくると思います。…ただ念の為、下見をしてきます!」
「ちょっと、八重さん!?」


もし領域展開だった場合、2人まとめて重傷を負う危険がある。なんの根拠もないけれど、特級と戦って無傷だった私だったらできるはず。
何より、友達を放っておけるか!!

私は補助監督さんに追いつかれないよう、走って2人の元へ向かった。








『ギィイイイイイ!!!』


一方、夏油と五条は聴覚なしで呪霊と戦っていた。
作戦通り、まずは夏油が呪霊を滝へ追い詰めねばならない。


ガッ! スパァン!!


直感。
術式と体術を不規則に応用することで混乱を招き、隙を突く。
言えば簡単だが、実践となると難しい。
だからこそ(・・・・・)、夏油はそっちを選んだ。


グリッ、バシン!!


動きの形状、感触、体温、息。
相手の情報を読み取り昇華することだけに専念した、究極の媒体。それが夏油傑だった。


ドッ!!グシャ!!




もっとだ。もっと。

感情に身を任せ、痛々しく、全身が焼けるほどに、




「呪霊操術」




燃えろ。




凱楼奴(がいろうつぶね)


ドドドドドドドド!!


地球の中心から響いているのかと思うほど、全身が軋む地震が起きた。

凱楼奴は、夏油が初めて鍛錬場で八重の「犯土浄炎環(ぼんどじょうえんかん)」を見てからずっと探していた低級呪霊だった。
元は住宅地の工場地震による呪いによって生み出されたものだが、その呪霊に極端に大きな呪力を込めることで、拒絶反応を起こし大規模な地震を与えることができる。

しかし、桃以上に滝を割った呪霊にとっては動作もなかった。すぐに体勢を起こし、夏油に向かって飛びかかる。


『ギヒヒ!!』
「初期微動と主要動…君は習わなかったかな?」


ッドドドドドドドドド!!!!


「ぐっ、やりすぎだろ…!」


無下限を張っている五条でも、気を抜けばその呪力が波動となって骨に響く。


海南唄子(かいなんばいし)


蜘蛛の糸が呪霊を捕らえ、地面にめり込ませた。

33.相棒→←31.影響



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tomishiro(プロフ) - また、本作はバトル描写が中心であり、恋愛描写は続編で明確になります。後者をご希望の方はもう少しお時間を頂きます。どうかご確認下さい。(こんなとこで話してますけど) (2022年6月20日 1時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - 八重はいつか夏油と結ばれるんですか?ってコメント頂いたんですけど、難しいところです。 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とみしろ x他1人 | 作成日時:2022年6月3日 10時

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