39.絶対に祓う！！ ページ40
私は傑の呪霊を魔法の絨毯のようにして浮かんでいた。足場がなくなったと思っていたそこは、猿謡の｢曝快｣による見せかけ…偽物だった。
｢危なかった…アイツ私が高所恐怖症だって知ってた｣
｢それより私たちまた退学の危機だよ、A。｣
｢え？｣
｢帳を縮める時、特級を引き寄せて人のいない場所を選んだんだろう？ここは相模総合補給廠。アメリカ陸軍の訓練広場だ。｣
｢え！？｣
｢国に関わると思う…悟は周辺の建物崩壊したし。でも考えるのは後だ。まずは、犠牲を払う必要がなくなったことに安心しよう｣
｢…ごめんなさい…｣
どうしよう。生きて帰るのが怖い。
『ケヒッ これを見ろA。
この玉は、前に俺がお前から盗んだ
｢！｣
猿謡が手に持っているのは、紫色の丸い玉。内部で黒い霧を吹き、黒ずみ出している。
あの玉が……私の記憶？
『油断したなぁあ？A。領域展開できなくても、呪力にさえ触れれば俺の勝ちだ。コレを持ってるからなぁ！！』
｢チッ、じゃあそう言えよ｣
『術式の開示に嘘は吐けないから説明を省いた』
なるほど。てっきり領域展開できない猿謡は完全に不利だと勘違いしていたが、どうやら逆のようだ。
その発言からして、やはり1番厄介なのは領域展開された後の
猿謡が記憶玉を持っている限り、領域展開せずとも私の呪力に触れれば記憶を
ということは、あの玉さえ奪い返せば形成逆転が狙える！
『なのに…横のソイツは何者だ？』
｢残念だね。呪霊本体は、私の呪力を含まない｣
呪霊操術は、取り込んだ呪霊を召喚するもの。
傑の呪力を含むのは"呪霊玉"のみ。消費するデメリットを除けば、傑は猿謡と互角に並ぶ。
｢A、君はここから離れて準2級を探せ。
私たちが領域展開されたら携帯は使えない。だから情報通として呪霊を渡す。何か分かったことがあればコイツに伝えて飛ばすんだ。｣
そういって傑は、呪霊玉から蝶のような呪霊を取り出した。その呪霊が私のスカートのポケットに入る。
｢もう1つ。…Aはアイツを祓いたいか？｣
私は一瞬その意味が分からなかった。
当たり前でしょ、と言おうとしたが、傑の言っていることは多分こうだ。
ーーーお前が、アイツにとどめを刺したいか？ーーー
私は答えた。
｢絶対に祓う！！｣
｢フッ ああ、そうしよう！｣
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tomishiro(プロフ) - また、本作はバトル描写が中心であり、恋愛描写は続編で明確になります。後者をご希望の方はもう少しお時間を頂きます。どうかご確認下さい。(こんなとこで話してますけど) (2022年6月20日 1時) (
レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - 八重はいつか夏油と結ばれるんですか？ってコメント頂いたんですけど、難しいところです。 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とみしろ x他1人 | 作成日時：2022年6月3日 10時
