15.恋人になる？ ページ16
縛りにより、私の呪力量は低水準で一定だ。
私の術式は炎を司るもの。
炎は元々、有機物と熱、それを保つための連鎖反応によってできる。
実のところ、炎は気体を昇華する氷の術式よりも、呪力消費が激しい。
だからこそ、まずは基礎体力を向上させることが、強さへの近道なのだ。
｢はっ！｣
4月28日の朝。
私は今日も、傑くんに体術を教えてもらっている。
傑くんは常に腰に力を落として筋肉を緩め、相手の攻撃に素早く対応できるように体勢を低く構えている。
それでスピードを保っていられるのだから、体幹の強さと関節付近の筋肉コントロールが桁外れているんだろう。なら。
私はその胸に飛び込んだ。
直進しながら腰を捻って片手を傑くんの腿に付き、即座に両足を肩にかける。
そのまま起き上がって肘アタックをかまそうとした瞬間、私の体は地べたに転んでいた。
｢なんで！？｣
｢重心ブレたよ。｣
｢一瞬じゃん〜…もしかして、手加減した？｣
｢子猫に戯れる程度だったよ｣
｢馬鹿にしやがって…｣
｢ははっ。Aって戦闘中は言葉遣いが荒くなるよね｣
首にかけた方が良かったのか…？いやそうしようと思ったけど、
でも速さを意識した方がつまづいてくれた。…あれは演技？動揺したフリして踵の向きを変えたの？
｢人に聞く前にまずは自分で考えるのか。偉いね、Aは。｣
｢そんなことないけど…｣
私はほとんど傑くんの話を聞かずに1人でブツブツと振り返りを始める。
最初は汗を気にしていた乙女心も、今となっては邪魔だ。
ふと、隣に傑くんが座った。
いつもと変わらぬ笑みを見せているが、何か言いたげな間を置いたので目を見やる。
｢Aって彼氏いる？｣
｢うん……え？｣
時間が止まった。
｢へえ、いたの｣
｢違っ、生返事！…いないけど、何？｣
｢あ、口説いてないよ。申し訳ないけど(笑)｣
｢はっ倒すぞ地蔵｣
なんだよ。ついに私にも花が咲いたのかと思った。
高専の皆を意識したことはないが。
｢明日の新しい任務が入ったんだ。Aのね。今度は2級だけど、私付きで再チャレンジできるよ。
5月のGWに備えるいい機会だし、どう？｣
｢それは良いけど…私が彼氏いないのと何の関係があるの｣
｢潜入調査だからだ。私たちでカップルのふりをして、新宿に住まう2級呪霊
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tomishiro(プロフ) - また、本作はバトル描写が中心であり、恋愛描写は続編で明確になります。後者をご希望の方はもう少しお時間を頂きます。どうかご確認下さい。(こんなとこで話してますけど) (2022年6月20日 1時) (
レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - 八重はいつか夏油と結ばれるんですか？ってコメント頂いたんですけど、難しいところです。 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とみしろ x他1人 | 作成日時：2022年6月3日 10時
