~7~ 痛みを分ける 和side ページ8
なんとか乗りきった収録。
隣でずっと支えてくれてた大野さん。
それに安心して、つい体の力が抜けた。
朦朧とする意識の中で、
大野さんが何度も何度も、俺の名前を叫ぶ。
─和っっ!!─
そう呼ばれれば反応しないわけないのに、
俺の瞼は、体は、声は
言うことを聞いてくれないんだ。
返事してあげなきゃ大野さんが、みんなが、
心配するのに。
目を開けてなきゃ
今にも意識がどこかへ飛びそうなのに。
俺の体を支える大野さんの体温は感じるのに
それに応える力は残ってなくて。
楽屋での記憶もほとんどなくて、
車に乗せられて、その振動が、
胸に響いて凄く苦しく感じた。
静まり返った空気が嫌で、
必死に言葉を繋ぐけど、
苦しかった胸が更に苦しくなって、
息も上がってきた。
途中なんとか開けた目の先に、
暗く落ち込んだ大野さんが見えた。
大好きな大野さんにあんな顔させてる。
そう思うと自分に嫌気がさす。
その時気がついた、彼の異変。
彼の肩が小さく、でも細かく上下してる。
人の痛みを感じ取って、
それを自分に重ねてしまう人だから。
なんとか一言言わなきゃ。
あの人の事教えなきゃ。
和「じゅ……くん……っ……はぁ……
お……のさん……っはぁ……おねが………はぁはぁ…」
それだけ言って俺は意識を手離した。
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Miu@にのあい(プロフ) - 私この作品大好きです。けっこう前に読んで号泣して、今でもたまに読みに来ます。そのたびに泣きます笑ほんとに大好きです！素敵な作品を作っていただき、ありがとうございました。 (2016年12月23日 16時) (
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作者名：花蓮 | 作成日時：2014年8月10日 19時
