~15~ 事実 翔side ページ16
先生は和に病名を告げると
出ていった。
病室に残された俺たちは
しばらくみんな黙っていた。
だって………和が病気?ありえないでしょ?
静まり返った病室で、和が最初に口を開いた。
和「ほらーまたみんなして暗い顔して!!
俺全然元気ですよ?
病気だかなんだか分かんないけど、
そんなのすぐに治しますよ!!」
突然病気だって言われて、
辛いのは和のはずなのに、
やっぱり励ましてくれるのも和で。
すぐに治すと言った彼の笑顔を………
偽物の笑顔を見破ることは出来なかった。
でも俺は知っていた。
まだ先生が言っていない病気の詳細を。
大動脈弁狭窄症………
何ヵ月か前に、ZEROで取り上げた病気。
成人期の発症患者は
病気の進行が速く、症状が重い。
症状は3段階で進行度によって
その後の余命が決まる。
胸痛から始まり、失神、意識障害と呼吸困難
と進行していく。
和はまだ胸の痛み程度だけど
徐々に進行するだろう。
俺しか知らない事実。
先生が俺たちを集めてなお、
このことを言わないのは余命宣告があるから。
みんなが知ればパニックになるのは
目に見えている。
先生が和に言うまでは、
みんなが和から聞くまでは、
俺もこの事実を黙っていなくちゃならない。
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Miu@にのあい(プロフ) - 私この作品大好きです。けっこう前に読んで号泣して、今でもたまに読みに来ます。そのたびに泣きます笑ほんとに大好きです！素敵な作品を作っていただき、ありがとうございました。 (2016年12月23日 16時) (
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作者名：花蓮 | 作成日時：2014年8月10日 19時
