【d!】彼氏がかっこよすぎて困ってます。その二【短編集】

続き ページ24

キッチンに着き、着々とケーキの工程を進めていく。


｢マンちゃん、箸で蜘蛛の巣書いてー｣

os『了解〜』


マンちゃんは鼻歌を歌いながら私の指示に従った。


何気に二人で共同作業するのはこれが初めてで不安もあったが何事もなく進めることができた。


｢焼きますよー｣

os『スイッチオン！』


ピッという音と共に時間が進んでいく。


｢あとは待とうね｣

os『焼き終わったら完成…？』

｢うん。そんな感じかなー。焼きが甘かったら数分追加するけどね｣

os『早く食べたいめう』


彼はうずうずして落ち着かない様子だった。

楽しみにしてくれてるのが見て分かる。


そして数分待つとチンッ、という音が聞こえた。


｢焼き終わったかな｣


ケーキを取り出して包丁で一欠片切ってみる。

焼き不十分のところもないため手直しをする必要はなかった。


｢マンちゃんー！できたよ！｣


そう呼びかけるとダッシュでこちらに向かってきた。


os『食べれるめう？！』

｢何も手直しする所ないし食べれるよ｣

os『食べていいめう？』

｢どうぞ｣


彼はさっき確認用に切ったパンプキンケーキをほうばった。


os『めっちゃ美味っ…！これは一人でワンホールいけるで』

｢ダメだよ！私も食べてないんだから｣

os『ハロウィンやん。俺の』

｢ハロウィンだろうが関係ないの！二人で作ったでしよ？｣


私が反論しているとマンちゃんが折れてくれた。


その後二人で仲良くケーキを完食し、お皿などを洗ってる時だった。



os『Aちゃん。俺だけの甘いものちょーだい？』

｢マンちゃんだけに甘いもの？｣

os『そう。例えばこんなんとか』


私は目を見開いた。

なぜならマンちゃんがキスしているからだ。

体を引き寄せられ、後頭部も逃げられないようにがっちりと抑えられているため脱出は不可能だ。

そして数分後ゆっくりと唇が離れた。


os『やっぱりAちゃんが一番甘かっためう。ごちそうさま』



水が流れ続ける中、交わした唇。

時間が経っても顔の赤みはとれない。


彼が一番求めていたのは貴方だったということに気づくのはいつでしょうか。




os『HAPPY HALLOWEEN？』

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