彼らが私に恋をした!?３［ケンカのあとは…編］ (ページ10)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:16,141 hit

ケンカ@Ｍページ10

前回の個展が好評だったから、と、次の個展が決まったのは数ヵ月前

今は、その準備に追われている潤の邪魔をしたくなくて、会うのを控えていた

松『ごめんな、Aにまで我慢させて…』

「大丈夫だよ？潤の晴れ舞台だもん！
邪魔したくないよ。」

松『邪魔じゃねーし！笑
むしろ、こっちが無理言ってんのに、俺の方が先に折れそう…』

「折れる？」

松『全部後回しにしてAの顔見に行きてぇなって…さ？』

「な、なななにいってんの！
男の子でしょ、最後まで頑張らなきゃダメだよ!!笑」

松『ははっ、だよな？笑』

「うん、」

松『一瞬でも、Aの顔見れたら、もっと頑張れそうな気もすんだけど。笑
あと少し、我慢しますかね。』

「ですね？笑」

松『じゃあ、また明日電話するから。おやすみ』

だけど、寂しくなかったのは、こうして毎日少しの時間だけでも、潤が電話をくれるからだ

「潤も頑張ってるんだし…あたしも負けないように頑張らなきゃ！」

何事にも全力投球な潤を間近で見ているうちに、自分にもなにか出来ることがあるんじゃないか、と思えてきて、

こうして、会えない時間を少しでも有効に使おうと、資格を取る勉強を始めた

と、言っても、そんなに大それた資格ではないから、潤にはまだ話してないのだけれど…

でも、やろうとすることに意義があるんだよ、って潤なら言ってくれるよね？

合格したら、報告してびっくりさせるんだ！

潤ならきっと、自分のことのように喜んでくれるもん

試験当日＿＿

「う、受かった……受かったーー！」

猛勉強の甲斐もあって無事、一日がかりの試験に合格したあたしは、もらったばかりの資格証を手に、真っ直ぐに潤のいるであろう個展の会場へ向かう

今日だけは、

今日だけは…

会いに行ってもいいよね？ね？

頑張ったじゃん、って、子供みたいな笑顔で褒めてくれるかな…？

「ここ…だよね？」

人通りの多い道から一本入った路地にたたずむ、ガラス張りのアトリエ

その全てに、白い紙が貼られていて、中の様子は伺うことができない

中からは灯りが漏れているから、まだ人は居るんだろうけど…

女「あの…なにかご用でしょうか？」

アトリエの前でうろうろしていると、中から綺麗な女の人が顔を出して、あたしを見て言った