彼らが私に恋をした!?３［ケンカのあとは…編］ (ページ36)

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いつだか

潤の撮影に同行したことがあった

その時

潤が公園に咲く花の写真を撮っていて

夢中な背中が好きで

ずっとずっと見ていたくて、

あたしはといえば

邪魔しないようにこっそり背中を盗み見ながら

ブランコに揺られてたんだっけ…

松「あの時、Aがブランコ漕いでてさ、」

「…っ、」

松「危ねぇぞって言ってんのに、子供みたいに目一杯漕いでて。笑」

「…そう、だったね、」

松「キャーキャー言って、俺心配で撮影どころじゃなくなってさ。笑」

「やだ、邪魔しないようにしてたのに、また邪魔してたんだね、ごめん…」

松「いや、むしろそん時のお前の笑顔見てさ、あぁ、やっぱりコイツだな、って。
コイツしか居ないんだな、って、心底思ったんだ。」

「…、」

　

松「結婚しよう、A。」

　

髪も乱れてて

笑顔だってお世辞でも綺麗じゃなくて

松「Aしか見えないんだ、今までも、これからも。」

だけど

そこに写ってるのは紛れもなく

一番の笑顔のあたしで

　

松「結婚、しよう。」

この表情はきっと

潤にしか撮れない

潤にしか

見せない笑顔だから

潤にしか

出来ない笑顔だから＿＿＿

「…、はい…！」

松「ホントに…？」

「あたしも、潤しか見えない。ずっとずっと、これから先。」

松「A…、」

「潤…！」

後(のち)に、

この写真が認められて

潤はこの世界で名のある賞を取った

その写真のタイトルは

―Will you marry me?―