演目11 ＿ 笑いを誘う道化師 ＿ ページ12
No side
薄暗い倉庫街の一角。
積み上げられた木箱の上で虎を待つ。
敦「…何ですか、その本」
太宰「これ？ “完全ジ殺読本”だよ。読む？」
敦「遠慮します」
太宰「えぇ？素晴らしい本だよ。内容も完全に暗記してる」
師星「へェ、凄い、ダネ！」
師星の仮面の下の表情は伺えない、
だが、本気で凄いと思っていることは確からしい。
太宰はその声を頭の中で反芻させながら、
そんな結論に達した。
敦「…本当にここに現れるんですか？」
ポツリと云った敦に、
太宰が本当だよ、と返す。
太宰「心配いらない。こう見えても “武装探偵社” の一隅だ」
敦「…凄いですね。自身のある人は。僕なんか孤児院でも “駄目な奴” って云われてて…」
その話を聞きながら、
ふと、師星が腰を上げ、
木箱から降りる。
それを知らずに、敦は話し続ける。
敦「こんな奴がどこで野垂れ死んだって…いやいっそ、食われて死んだほうが…」
師星「敦、見て、ダヨ！」
敦「え…？」
顔を上げた敦の目に映ったのは、
どこからか取り出した大玉に乗って、
手に小球を３つ持った道化師。
その道化師は、敦の視線が自分に向いたのを確認すると、
小球を投げ始めた。
敦「わぁ…！」
その動作は余りに滑稽で、
けれど、完璧で。
計算された、
「笑い」を誘い出すためのものだった。
敦「あはは、凄いですね師星さん！そう思いませんか、太宰さん！」
笑顔で振り向いた敦の瞳に映ったのは、
太宰ではなかった。
その瞳に映ったのは、
大きな、丸い、月。
、
演目12 ＿ 白銀の虎 ＿→←演目10 ＿ 何かを識る道化師 ＿
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ロア - 面白いですね!!!!!!!!!!!頑張ってください。！！ (2023年2月18日 14時) (
レス) @page20 id: f71c6b27b8 (このIDを非表示/違反報告)
銀砂売り子 - 如月さん» コメントありがとうございます！ご期待に応えられるよう頑張りますね！ (2022年12月12日 17時) (レス) id: a7b57ade6c (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 続き楽しみだこれは、文才分けてください (2022年12月11日 13時) (レス) @page19 id: 301f09f551 (このIDを非表示/違反報告)
銀砂売り子 - コメントありがとうございます！励みになります！！ (2022年12月3日 17時) (レス) id: a7b57ade6c (このIDを非表示/違反報告)
藍素(プロフ) - とっても面白いです！更新楽しみに待ってます！文才が…すごい！分けてほしいくらいです (2022年12月2日 22時) (レス) id: 81a29d8f69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀砂売り子 | 作成日時：2022年11月26日 8時
