ようこそ、華麗なるサァカスへ【文豪ストレイドッグス】

演目９　＿ 言葉も動きも、止まる ＿ ページ10

No side




太宰は、気づいた。


この道化師は、今から自分が言おうとせん事を、


察している。


それでなきゃ、


自分も「行っていい」のかと、


訊くはずがない。


この偽名の道化師に、


どこか侮れない空気を感じつつ、


太宰は笑う。




太宰「道化くんは察したみたいだねぇ」




太宰は道化師と少年に、


虎探しを手伝わないかと云ってきた。




敦「い、いい嫌ですよ！それってつまり、餌じゃないですか！」



師星「ボクは良い、ダヨ！前職で、猛獣とは沢山戯れてるから、ダネ！」




敦の言葉が止まる。


この人、承諾しやがった。


もうこうなれば、自分だけでも猛反対をと、


机に身を乗り出し…




太宰「報酬出るよ」




その動きさえも止まった。




太宰「国木田君は社に戻ってこの紙を社長に」



国木田「おい、３人で捕まえる気か？まずは情報の裏を取って…」



太宰「いいから」




しぶしぶ紙を受け取る国木田。


この人、押しに弱い。


そう、敦は思った。




敦「ち、ちなみに報酬はいかほど？」



太宰「こんくらい」




数字が書かれた紙を見た敦の決断は、


それはそれは速かった。


道化師と包帯男の心の声が、


ピタリと一致する。




｟ これじゃあまるで、チーターだな ｠




食堂の敷居をまたぎながら、


彼らはまた笑う。




｟ 虎というよりも、ね ｠




、

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