【黒尾鉄朗】争奪戦。ーLAST STAGEー【及川徹】 (ページ3)

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#066 α ページ3

「うわ、倒れたんだ。AA。」

影で様子を見る、沙美田シュリ。

今、教授と誰かに運ばれていくA。

____痙攣を起こし、倒れた。

「まさか…こんなに効くなんて、ね。」

27-FXの改良版、超即効性の副作用が軽くなった、31-CX。

裏ルートで、手に入れた代物。

「でも、なんでだろ…

______全員に薬を撒いてるのに…。」

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試合が終わった。

形式上、日本代表を相手にしているが…
これは、牛島VS及川。

試合は、やはり…牛島側の勝利で終わった。

「…あれ、教授もAさんもいませんよ。」

国見が、話す。

「さっき倒れたらしいよ。」

月島が説明をする。それを静かに聞く。

試合に集中していたせいで、そんなことがあったなんて、気がつかなかった。

「今、どこにいるの？」

「さぁ…わかりません。」

月島にそれだけを聞いて、及川は外に出た。

「大王様…会いにいくのかな…？」

「さぁ…？」

日向と影山。

試合には勝ったが、喜べる、そんな雰囲気じゃない。

「どうするつもりですかね、及川さん。」

「さぁな。」

国見も、岩泉も

及川の考えを、予想できない。

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「これは困りましたね…。」

とある一室で、教授は呟いた。

その視線は、白いベッドに寝ているAに向いている。静かに呼吸をしているが、はたから見ると死んでいるようにさえ見える。

____何者かによって、食事に薬を入れられたか…

「ふむ…”アレルギー”か…。困ったものだ。」

人の体質で、とあるモノに対して拒否反応を示す性質。

それがAの場合、何者かが入れた”薬”に対してだけ、起きた。

コンッ、コンと部屋のドアが二回ノックされる。

「誰だい？」

と、教授が問うと…

「黒尾です…、頼みがあります。

_____Aに会わせてくれませんか？」

意外な訪問者だと、教授は一度思ったが、別に意外でもないな…と考えを改めた。

黒尾は、いつになく不安げな様子で
静かに寝ているAにゆっくりと近づいた。

そんな態度が、教授の考えを改めさせたのだった。