【東京喰種×ONE PIECE】If I live in another world... (ページ32)

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#032 神羅ページ32

呼吸もままならない、しかも身動きの取れない状態で、口から入ってくる異物。

吐き出す力が強く働けば働くほど…Aの体力は奪われる。

ドブ川の底の腐ったヘドロのような匂いと、汚れきった油のような味の果汁。

「うわぁあああああああああ…！！」

バサッ！と地に身体がついた時には、もう異物を飲んでしまった後だった。喉の奥から、得体の知れないモノが暴れているような感覚がする。

視界が揺れ、周りの情景を正しく読み取れない。Aは頭を抱えた。

「…落ち着くんだ。良い子にしてるんだぞ。」

な？と最後の笑顔を見せたレイはもう、目を離した一瞬のスキに姿を眩ませた。

残されたAの体力は限界を超えていた為…静かに地に横たわった。

この地…ウォーター・セブンで。

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あの日から数日。

Aは、別の島にいた。名前は知らない。…ただ、適当な船に隠れて乗ったのだった。

けれど…嫌な予感がすると勘が言う。それもそのはず…この小さな島の反対に船をつけている…

”ユースタス・キッド”率いるキッド海賊団の船があったのだった。

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父…レイとあった日から、身体の感覚に違和感がある。妙に軽いのだ。

気配が無くなったと言えばいいのだろう。そのおかげで、人を殺さずに船に乗る事が出来るようになった。

それともう一つ。不思議な勘が働くようになった。”人の寿命”。それが具体的ではないが、何となく分かるようになった。

それは…レイに喰わされた”異物”の正体か。

Aは頭を落ち着かせようと、静かな海辺の木陰で、少しの間眠った。

暫くの時が経った。ザッと砂を蹴る足音が複数聞こえる。

浅い睡眠から覚めたAは、薄っすらと瞳を開ければ…

____目に飛び込んできたのは、鮮烈の赤。

「………？」

身体を起こし、目を擦る。まだ、夢の中にいるような…白いベールに包まれた感じがする。頭の中にモヤがかかっているみたいに…正確に脳が働かない。

じっと”赤色の影”を見つめると、ゆらりとその影は揺れた。

何だろうと思い、飛びつくと影は驚いたようかな跳ね上がった。

「…何だコイツ…！」

つい衝動的に、本能的に飛びかかったことを一気に後悔する。ようやく頭の整理がついたのだ。