#028 地図 ページ28
父親…レイの居場所は、
___________”ウォーター・セブン。
…と言われても、まず場所がわからない。今、Aの持ち物は、少しのお金のみ。これは、白ひげがお小遣いとしてくれたもの。
島民に聞こうと、島へ一歩踏み出した。
行く人々にそれぞれ聞いてみると、得た情報は様々…。
・グランドラインを逆走
・ウォーター・セブンは造船業で有名
と、ざっくりこんな感じ。幸い、白ひげ海賊団は、白ひげの体調管理の為に少しグランドラインを遡っていたみたいで。ログポースは、逆ログポースだったらしい。
ここから一番近い島は、シャボンディ諸島。
思い立ったら、すぐ行動。
海賊船を見つけ、忍び込んだ。
「…！何者だ…！」
ズシャァ…！
声を発していた人型は、一瞬にして刻まれたゴミと化した。
少女の背中から生えた血のような赤色の触手は、うねうねと意志を持つように動いている。
少女は、密かに胸を躍らせた。
久々の対戦。
久々の戦闘。
とりあえず、”船長”を人質にして…
シャボンディ諸島まで案内させる。
彼女は、人間を喰らって生きる”喰種”。
戦闘は彼女の本能。人と人との馴れ合いで忘れていた天性の勘は、今も健在で。
芽生えていた筈の名前も知らぬ感情は、少女の心から姿、形残さずに消え失せてしまったようだ。
「船長、航海士は誰？」
突如、甲板に現れた”化け物”。
海賊共は、身体の芯から震え上がった。グランドライン中盤、ここまで進んできた凄腕の海賊団でも、少女の威圧には耐え切ることが難しいのか。
失神して倒れる者には、少女の”羽赫”の羽が突き刺さり、絶命する。
何も発することができない…。
何も行動することができない…。
何も考える事ができない…。
ただ、恐怖するしかできない…。
静かに航海士は手を挙げた。どうやら女のようで、けれど船長は一向に出てこない。何故なら、先程消してしまったのは”船長”だったからだ。
少女は、やれやれと適当に座り込んだ。
「今夜中に、シャボンディ諸島まで連れてって。」
「そ、そんな無茶な…！」
「朝6時以降が過ぎると、一時間で一人殺していくから、よろしく。」
真っ青に血の気の失せた顔の女航海士。
さぁ働け働け、と少女が呟けば、バタバタと船員達は動き始めた。
外道だ、可哀想だと思うだろうか。
けれど、可哀想なのは少女の方。
人間で言うと、家畜の汚い豚共と同じ船で同じ空気を吸っているのだから…。
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作者名：色葉怜 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2015年10月17日 19時
